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｢あはっ！でっかい声だねえ！｣
｢なんで笑うんですか！！！｣
誰もいないふたりだけの海岸沿いの釣りスポットにて
何故か私は智さんと呼ぶまでには仲良くなってしまった。
｢じゃあ智さん私そろそろ帰ります｣
そう言って、自転車に跨る
｢うん、じゃあね、みやちゃん｣
私、宮川は智さんにみやちゃんと呼ばれるようになりました。
｢ではまた！！｣
わたしは振り返りながら大きく手を振る
笑顔の智さんを見ながら自転車を漕ぎ出す
｢ウーン！怒涛の休日！｣
呑気に鼻歌を歌って自転車のスピードを上げる
いつも歌の練習がてら路上で歌わせてもらっている所につき、
そこに自転車をとめる。
｢おっちゃ〜ん歌うわ〜｣
｢おうよ！よっしゃミヤ！客引きしてくれよ！！｣
道の向かいにあるラーメン屋の大将が
ニコニコ笑って手を振ってくれているのを見てギターを取り出す
｢さ〜てと。｣
ジャーンと思いっきりギターの音を鳴らす
歩く人達、近所の人たちは皆気づいたようで
周りに来てくれたり窓から手を振ってくれたり
｢ヤッホー！ミヤが今から歌うからね！！！聞いてってよオニーサン！オネーサン！｣
そう叫んで歌い出す
嵐のHappiness
智さんに出会った記念。
今日は智さん記念日。
そう考えると楽しくて楽しくて仕方がなくて
歌い終わった頃気づいたら辺りが暗くなっていた
「Happiness… か」
そう呟く帽子をかぶり下を向く男性に向かって指を指す
｢オニーサン！走り出せ！だよ！｣
汗まみれの女に言われてもなんとも思わないかもだけど！
｢走り出せ！だよ！オニーサン！！！｣
そう繰り返し叫ぶと
彼が微笑んだのを感じピースをして歌に戻る
そんな智さん記念日だった
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作者名：ACT航空 | 作成日時：2020年10月21日 22時
