●押し殺した感情 ページ43
こんこん、と右手でノックしてドアを開ける。
「………来たか怪我人」
『…怪我人とか言うのであれば優しくしてくれ。しんぺい神が言うには1週間は安静だと。』
鋭く2週間だろ、と言ったグルッペンに返事はしなかった。
座り慣れたソファにどかりとすわる。立ち上がれるか一瞬不安になったが大丈夫だろう。
「それで、A。あの男、トートの事だが……Aが直ぐに殺して欲しいというのであれば俺はすぐに殺害命令をだすが、」
はっきり言ってあの男のことを許せるわけがなかった。同じ立場になってみてトートを許せる人間はどこにもいないだろう。
『好きなように扱えばいい。私はあの男と顔を合わせるつもりは無いし実験やらサンドバッグにでもなんでもしろ。』
そういうとグルッペンの蒼い目はきらりとひかり意地の悪そうな口が歪んだ
「元々そう言うと思ってもう実験を開始し始めてる。生きてる人間の中で一番ヤバいマッドサイエンティストに渡してある。今頃生きた心地もしてないだろうな。」
低いバリトンボイスの笑い声が部屋に響く。それが珍しく嫌になって本題を早く求めてしまった。
「…嗚呼。悪い事は言わない。頼むからシャオロンと同じ家に住んでくれ。」
「お前の成長ともなるし、俺も安心するんだ。」
もう、お前を失うことは無いだろうと。
『…貴様が仕掛けたのか。』
「悪く思わないでくれ。お前の、俺の、俺達の為だ。」
グルッペンは席を立ち上がってこちらに向かって歩いてきて目の前で立ち止まった。そして差し出される手
「親しい
まだ、グルッペンが、貴様が、友人と言ってくれるのであれば、またあの頃のように、笑い合えるのであれば
『……仕方なくだぞ。何かあったらすぐに出て行くからな。』
その手を取り自分の足でソファから何とか立ち上がった。
「……感謝する。」
そう言われた直後、さらりと自分前髪が浮ついて、ただ、少しだけの、短いリップ音が静かな部屋に響いた。
『………柄にも無いことするじゃないか。』
「…完全にシャオロンの物になる前にしとかないと怒られるだろ。」
額にされたキスは少しだけ心臓を煩くさせた。
「ほら、ドアまで手貸してやるから動け。」
『…そんな事だからいつまで経ったても結婚できないんだぞ。組のボスなんだから早く結婚でもしろ。』
「……余計なお世話だ。」
ふは、と笑ってしまった。ゆっくりとドアを開ける。
『じゃ、元気になったらまた来る。』
その笑顔が俺には耐えれなかった
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かわ(プロフ) - 茜さん» 茜さんコメントありがとうございます！初期の方から読んでる方には途中で更新停止してしまい非常に申し訳ない気持ちです…。。それでも最後まで読んでくれて本当にありがとうございました！これからも応援してくれたら幸いです！ (2020年5月9日 12時) (
レス) id: a51cde5cd0 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 完結おめでとうございます。初期の方から読ませていただいていました。この作品大好きです。これからも応援してます！ (2020年5月9日 11時) (レス) id: d2182e9bad (このIDを非表示/違反報告)
かわ(プロフ) - H2Oさん» コメントありがとうございます！連載開始から読んでくださってたということは随分と長い間お待たせしてしまいましたね…、長い年月でしたが本当にありがとうございした！ (2020年5月8日 7時) (レス) id: a51cde5cd0 (このIDを非表示/違反報告)
H2O(プロフ) - お疲れ様でした。(多分)連載開始から読み続けていて、ずっとこの時を待ってました。とても大好きです。 (2020年5月8日 2時) (レス) id: e433076a9e (このIDを非表示/違反報告)
かわ(プロフ) - 蒼乃さん» 蒼乃さんコメントありがとうございます！本当に途中途中更新停止してしまい最初から読んでくださっている方に本当に申し訳ないと思っていました…、それでも最後まで読んでいただき本当にありがとうございました！新作も頑張りたいと思います、！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: a51cde5cd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かわ | 作成日時：2019年2月22日 20時
