●淡い願望 ページ4
『…すまないが、お遊びは断るぞ。』
「…潜入捜査を頼みたい。」
潜入。
暗殺者の私にとっては得意な分野だがその前の言葉、パーティーを楽しんでこい。という文にすこし違和感があった。
潜入するだけでは楽しむもくそもないのにどうしてそんなことを言う。
そして、何故私が急に呼ばれたか。ああ、くそ。
『…まさか、』
蒼い目を細め此方を見据える。
「…その、まさかだと思うが。ドレスを着ながら歩くのは得意か？」
『……得意な訳ないだろ！？何故私を呼んだのだ！幹部の誰かを女装させればいいじゃないか！』
なぁ！そう言って振り向くと誰も目を合わせてくれなかった。否、1人だけ、私とあまり身長が変わらない男がこっちをにこりと見つめていた。
「…Aさん、有難うな。俺、ロボロやねんけど。有難うな。」
え。
此奴が、ロボロ。思った以上に大きくはなくて少しびっくりするがそれはさておき。
こいつ、まさか。
「…女装させられかけててんな。有難う。」
頭がクラクラしそうだった。世の中はたった一人の気持ちで動く訳では無い。だからこれはもう諦めしかなかった。
諦めたからって認めた訳では無い。きっとそれもわかってグルッペンは言ってくるのだから恐ろしいものだ。
『………はぁ、分かった。但しこっちで全部準備はして貰いたい。任される訳には行かないからな、』
「っえ…！Aさんほんまにええんですか！？てか俺らでさえも理解遅れてんのに……」
トントンがあの時とは違うような目を私に向けて訴える、嗚呼、やっぱり優しい人なんだな。
『大丈夫だ。任務を遂行すればいいだけの話だろ？』
『…それで依頼料は？』
そうグルッペンを下から見ると目を逸らされた。
目を逸らされた。
『…………は？』
目が泳いでる。もしや
『無料でしてくれると、思って、いた、のか？』
「…いや、この前の借りもあるしお前丸くなったからいけるかと。」
少しの静寂から所々笑い声が聞こえてきた
「やば、グルッペンすげぇ目泳いでる、」
「裏社会で依頼料無しとか笑うわ」
思わず同意してしまった。だからといってグルッペンがこんなことをするのは私にだけだろう。思わずなんて奴と縁があるのかと溜息が出てしまう。
『…もういい。それで私は誰と潜入捜査をするんだ。大人数って訳では無いだろう？』
そう言い、ちらりとシャオロンの方を見る。
シャオロンはにこりと笑いながらこちらを見たままだ。もしや、と思ってしまった
「ゾムと、行って欲しい。」
視界に映る緑が少し揺らいだきがした。
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かわ(プロフ) - 茜さん» 茜さんコメントありがとうございます！初期の方から読んでる方には途中で更新停止してしまい非常に申し訳ない気持ちです…。。それでも最後まで読んでくれて本当にありがとうございました！これからも応援してくれたら幸いです！ (2020年5月9日 12時) (
レス) id: a51cde5cd0 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 完結おめでとうございます。初期の方から読ませていただいていました。この作品大好きです。これからも応援してます！ (2020年5月9日 11時) (レス) id: d2182e9bad (このIDを非表示/違反報告)
かわ(プロフ) - H2Oさん» コメントありがとうございます！連載開始から読んでくださってたということは随分と長い間お待たせしてしまいましたね…、長い年月でしたが本当にありがとうございした！ (2020年5月8日 7時) (レス) id: a51cde5cd0 (このIDを非表示/違反報告)
H2O(プロフ) - お疲れ様でした。(多分)連載開始から読み続けていて、ずっとこの時を待ってました。とても大好きです。 (2020年5月8日 2時) (レス) id: e433076a9e (このIDを非表示/違反報告)
かわ(プロフ) - 蒼乃さん» 蒼乃さんコメントありがとうございます！本当に途中途中更新停止してしまい最初から読んでくださっている方に本当に申し訳ないと思っていました…、それでも最後まで読んでいただき本当にありがとうございました！新作も頑張りたいと思います、！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: a51cde5cd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かわ | 作成日時：2019年2月22日 20時
