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佰陸. ページ18

神楽月Aside









「Aちゃん、聞いてた?」






『…っ、へ?あれ』






「もー、またぼーっとしてた!
俺ずっと話しかけてたのにさ!」






『ごめん…』









あれ…鬼に殺されたはずの、幼馴染の君がいる。




なんで?




…あれ?そもそも君は鬼に殺されてなんかなかったんだっけ?









「遊びに行こ!今日は花札でもする?」





『…そうだね』









……あ、これ夢だ。








私はすぐに察した。








危ない。見失う所だった。現実から、これ以上目を背けてはならない。









『ふぅ…ごめん、さよなら。
大好きだよ、今でもずっと』









私は涙を流しながらも笑顔を作った。




夢の中でも、君に会えて嬉しかった。




だけど、だけどね……









こんな夢を見させた鬼は、絶対に許さない。









私を殺すために、彼を利用しようとした鬼が憎い、許せない。




許せない、許せない、ユルセナイ。









「Aちゃん!!」









残念、鬼さん。




私には……本物の「彼」と、偽物の「彼」くらい見分けられるから。









決してこの夢を見させた鬼を許さない。



内蔵を引きずり出してぐちゃぐちゃにして殺してやる。



彼を侮辱した罰だ。



相応の報いを受けろ。









私は刃物で首を掻っ切った。









________________________

side無し







この娘は、現在Aの精神の核を壊そうとしている。





だが、そんなことをできるような雰囲気ではなかった。









あの見た目からは想像できないほど、精神の内側は…黒かったのだ。



ただただ、娘を襲う虚無感。



どこまでも広がる真っ暗な世界。



その中で、今にも朽ち果てそうに青白く光る「精神の核」。









「くっ…なん、で…近づけない…の」









精神の核からは、こちらが泣きたくなるような…本当に優しく、穢れのない雰囲気がした。






だがその周りが問題なのだ。






彼女の少し歪んでしまった「守りたい」という気持ちと、彼女が抱える醜い感情。







そしてなにより、全てものに対する「恐怖心」。







それを表したような「黒」と、不思議な「虚無感」。








その圧のせいで、精神の核を壊しに来た娘は倒れてしまったのだ。







根は真っ直ぐで優しく、純粋な少女を取り巻くものは…それ程までに、全てを拒絶していたのかもしれない。

佰漆.→←佰拾.「無限夢列車」



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遥香(プロフ) - この小説大好きです⸜❤︎⸝‍更新待ってます!これからも頑張ってくださいm(_ _)m (2023年2月25日 22時) (レス) id: 46d76f319e (このIDを非表示/違反報告)
アニメ万歳 - ありがとうございます!更新無理をしない程度に頑張って下さい!楽しみにしています! (2019年11月9日 7時) (レス) id: 56f5347320 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - アニメ万歳さん» 作品の方にリンク貼っておくので、そこから飛んでください! (2019年10月28日 22時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ万歳 - 本当ですか!感謝しかありません!ありがとうございます!……すみませんが、リンク貼ってくれませんか……?書いてくださったのに、申し訳ないですが……。 (2019年10月28日 21時) (レス) id: 56f5347320 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - アニメ万歳さん» 暗殺教室と鬼滅の刃ですねー!完成したのでよければ見てください! (2019年10月28日 14時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひかり | 作成日時:2019年10月2日 18時

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