佰捌. ページ20
……あの真っ暗なAの心の中とは、天地ほどの差があった。
あの少女は、「精神の核」は辛うじて優しさと温かさを保っていた。
だけど、それを取り巻く周囲はそんな温かさなんて微塵も感じさせなかったのだから。
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『私、嫌いだなぁ…』
ボソリと呟いたAの声に、炭治郎が首を傾げる。
「な、なによ!!」
『…』
Aは真っ直ぐに、少女の方に向かう。
そして次の瞬間、少女を壁側に押し付けた。
炭「A!!!」
『……私、人には手を上げたくないの。
ねえわかる?わかるよね?』
Aは先程自分の手を貫いた錐を、少女にあたるスレスレのところに突刺す。
「ひっ…」
『邪魔、しないでくれるかな。
私、今どうしても殺したい人がいるの』
そしてAは、炭治郎が目で捕えるより前に、あの病気の青年以外の子供達の気を失わせた。
Aから感じだ、異様なほどの狂気に、炭治郎は数秒間声を出すことが出来なかった。
『………いこうか炭治郎。
鬼は上だよ』
いつもなら安心感を得られるほど、美しいAの微笑み。
だが今だけは
鬼舞辻無惨にも引けを取らないほどの、威圧感を感じさせた。
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神楽月Aside
私達は汽車の上に上がった。
禰豆子ちゃんは、炭治郎の指示で列車内で待機している。
「あれぇ、起きたの?おはよう。
まだ寝ててよかったのに」
そこに立っていた鬼の瞳には、「下弦」という文字。
……十二鬼月か。
「せっかくいい夢を見せてやっていたでしょう。
お前の家族みんな惨殺する夢を見せることもできたんだよ?
今度は父親が生き返った夢を見せてやろうか?」
炭治郎の顔は険しくなる。
「少女のほうには…うーん、そうだなぁ。
幼馴染をもう一度殺される夢?
それとも、村を鬼に襲われる夢かなあ?」
『……光の呼吸。 肆ノ型、光惨(こうざん)。』
この技は、「最も」鬼に苦痛を与える技だ。
私の刀は、あの鬼を真っ二つに斬る。
『……殺しはしない。一瞬で殺してなんてやるものか。』
「……うわ、僕君の顔嫌いだなぁ。
こんなときでも笑ってると、なんか癪に障る感じ。」
『…え、笑って……?』
「君…気持ち悪いくらい笑ってる。」
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遥香(プロフ) - この小説大好きです⸜❤︎⸝更新待ってます!これからも頑張ってくださいm(_ _)m (2023年2月25日 22時) (レス) id: 46d76f319e (このIDを非表示/違反報告)
アニメ万歳 - ありがとうございます!更新無理をしない程度に頑張って下さい!楽しみにしています! (2019年11月9日 7時) (レス) id: 56f5347320 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - アニメ万歳さん» 作品の方にリンク貼っておくので、そこから飛んでください! (2019年10月28日 22時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ万歳 - 本当ですか!感謝しかありません!ありがとうございます!……すみませんが、リンク貼ってくれませんか……?書いてくださったのに、申し訳ないですが……。 (2019年10月28日 21時) (レス) id: 56f5347320 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - アニメ万歳さん» 暗殺教室と鬼滅の刃ですねー!完成したのでよければ見てください! (2019年10月28日 14時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひかり | 作成日時:2019年10月2日 18時