守り神は隙が無いようでｰ弐ｰ【鬼滅の刃】

漆拾伍. ページ29

炭治郎はその女の子の羽織を引っ張り、私と禰豆子ちゃんに叫んだ。







炭「A…禰豆子！逃げろ！！
走るんだ！絶対捕まるな！


急g……」






「…」








『た、炭治郎ぉぉお！！！』








見事なかかと落としをくらった炭治郎は、気を失ったのかガックリと倒れた。









『禰豆子ちゃん、大丈夫、貴方は逃げて！』




禰「ん」








禰豆子ちゃんは返事をするようにそう言った。









『…って、また来たよ…！？』









「……！！(鬼を庇ってる？)」









私はその女の子が振り下ろす刀を、全て弾いていた。




もう、ちょっとまって、ほんとまって。




人間の子だから、攻撃もできないし…防ぐことしか出来ないんだって。









『……っ！』






「……」





『禰豆子ちゃんこっち！！』








私は幼体化した禰豆子ちゃんに手を伸ばす。




禰豆子ちゃんは私の胸に飛び込んできた。









『ｺﾞﾌｯ…』









……なんていう国宝並の可愛さ。



…じゃなくて、逃げないと。







炭治郎がいない今、私が禰豆子ちゃんを守らないと…！！









『いやだぁぁぁあっ！
もう追ってこないで？！お願い！！』





「……」








無言で刀を振り回しながら、私たちのあとを追う女の子。






つい、本音が漏れるほど、ずっと追い回されている。









「伝令、伝令！！


本部より伝令あり！！



炭治郎、禰豆子。両名を拘束！本部へ連れ帰るべし！！」







……鴉の声？







私と女の子は足を止めた。









『……！』





「…そのこ、禰豆子？」





『そ、うだけど……』









その時、私の見えていた景色が傾いた。









『…？！』




禰「…！！」








「……(毒がまだ回ってる。
このまま放置したら死ぬ)」







…それより、なんで炭治郎と禰豆子ちゃんが拘束？



まって、手足…動かさなきゃ。





禰豆子ちゃん…連れて行かれちゃう。









***









……包帯でぐるぐる巻きにされた。





…そもそも、Aちゃんの姿が見当たらない。




どこ？え？




でも、鈴の音が……









って、えええええええ？！Aちゃんんんんん？！







目の前から女の子に、引きずられるような形で連れてこられたのは、紛れもないAちゃんだった。

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