守り神は隙が無いようでｰ弐ｰ【鬼滅の刃】

陸拾玖. ページ23

立て、早く立て！




呼吸を整えろ！急げ…！！早く！









「そもそも、なんでお前は燃えてないのかなぁ？


僕と僕の糸だけ燃えたよね？妹の力なのか知らないが、イライラさせてくれてありがとう！





なんの未練もなくお前達を刻めるよ」









…正しい呼吸なら、どんなに疲弊していても関係ない！









「血鬼術……！殺目篭」









焦るな…息を乱すな。




落ち着け…落ち着けば…！！









……腕が、上がらない…！！









『炭治郎…！！』









炭「A……？！」









『…全集中、光の呼吸…


壱ノ型…彼岸光月！！』









Aの刀が、あの鬼に届く。



鬼はイキナリの襲撃に驚いたのか、血鬼術を解いた。









『ゲボッ…ゴホッ……』









次の瞬間、Aの口からは大量の血が流れ落ちた。









『ふぅ………解毒剤、まだ聞いてなかったかなぁ』









Aはこんな中でも、苦しそうに微笑みを向ける。









「ﾁｯ……死に損ないが来た。

お前も殺す。邪魔しないでよ…ほんとにイライラさせてくれるね」









『………っ』









炭「A…っ、逃げ、ろ…！」









俺は声を絞り出してそう言った。









『………炭治郎、禰豆子ちゃんを連れて逃げて。

大丈夫、時間は稼ぐ』









なに、言って……









「…時間を稼いでも無駄。

お前も殺すし、あの兄妹も殺す。」









『……炭治郎、早く』









Aは糸を避けながら叫ぶような声でそう言った。









炭「それ、じゃ…Aが……！！」









『…私は、人を守るために死ねるなら本望だから。






光の呼吸……』









その時だった。









？「俺が来るまで、よく堪えた。
あとは任せろ」









『…っ？！』









Aは、少し痙攣する足を何とかこらえてその人を見た。





そして俺も、その人を見る。









「次から次に…！僕の邪魔ばかりするクズ共め……血鬼術！！


刻糸輪転…！！」









冨「全集中……水の呼吸。


拾壱ノ型…凪」









拾壱ノ型…？！









「拾壱ノ型がなんだって言うんだ？！






…っ、なに？！








(奴の間合いに入った途端…糸がバラけた…1本も届かなかったのか？

最硬度の糸が切られた？！)






そんなはずはない！」

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