守り神は隙が無いようでｰ弐ｰ【鬼滅の刃】

陸拾伍. ページ19

す、すげぇ……。









こ、こんなすげえやつ…初めて、見た。









***









「Aちゃん」









………誰？









「Aちゃん、いいのかよ？こんなとこで死んで……」









…でも、もう毒が全身に回ってる。




かなり強力な毒なのは、誰でもわかる。









「……Aちゃんの帰りを、皆は待ってるんだぜ？！

村の皆も、炭治郎達も！！



あの人に会わないまま死ねるのか？！」









………村の、人達…炭治郎…。





私が死んだら、村は誰が守る？




私の村の藤の花は、ずっと咲いてるわけじゃない。





炭治郎達は…充分、強い。





だけど……まだ一緒に居たい。









あの人にも、会いたい。



会わなきゃならない。









………でも、私はひとつ重大なことに気がついてしまった。







鬼も私も、大して変わらないということに。









鬼は、人を捕食対処として食う。殺す。




でも人間も、豚や牛を殺して食っている。









………それに、違いはあるのかな。





人間も…数え切れないほどの命を殺している。









残酷な世界だ。





他者を食わないと生きていけない。





でも、生きるにはそうするしかない。









鬼を殺すのは、大切な人を守るため。









だから私は、刀で鬼を斬る。









もちろん、生きていられるなら…これからも。









………でも、少し疲れた。









交差する気持ちは、矛盾しかない。









毒が回っているせいにしたいけど、違う。



本心だ。









大切な人を守りたいのは、勿論だ。



だけど、周りからの期待に死にそうなくらい、疲れているのもまた事実。








「期待されるだけいいじゃないか」








…確かにそうだね。




でも、その期待って……人を殺すんだよ。









守りたい。


疲れた。


力が欲しい。


戦いたくない。


しっかりしないと








___________生きないと。









もう、ぐちゃぐちゃで汚いなぁ。ほんとに。




私は結局何がしたいのかな。









この気持ちって、なんなのかな。






醜くて苦しくて、時々投げ出しなくなる。







でもやっぱり______

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