漆拾捌. ページ33
…と、静かだったのも束の間。
善「Aぢゃんンンン…!!!」
…すんごい、鼻声(?)みたいな声で大泣きしながら私に抱きついてきた善逸。
鼻水と涙で、私の服が凄いことになっているけど…今は見なかったことにしておこう。
善「だずがっでよがっだぁぁあ!!!」
『……はいはい、泣きすぎだよ』
こんな大声で大泣きしている善逸を他所に、まだ寝ている伊之助。
『…って、炭治郎と禰豆子ちゃんは?!』
善「知らないんだよ、いないんだよぉお!」
……無事だとは思う。少なくとも、死んではない。
「拘束」だから、殺してはない…はず。
断言はできないけど。
『あ、そうだ。』
善「どうしたの?急に……」
『ねえ、ひとつだけ約束して欲しいの。』
私は微笑んで善逸にそう言った。
善逸は、未だに泣きながらも首を傾げる。
『……禰豆子ちゃんを、何があっても守ってあげて欲しいの。』
***
Aちゃんは、ふわっと微笑んでそう言った。
なんで突然そんなことを言ったのかは分からない。
だって
また、なんの音もしないから。
そりゃあ、心臓の音はするけど。
心の音が、少しも聞こえない。
つまり、何を考えているのかが一切わからないんだ。
善「…A、ちゃん?」
『あ、そりゃあ私も全力で禰豆子ちゃんを守るよ?
勿論、というか絶対炭治郎も。』
善「いや、俺も勿論禰豆子ちゃんを精一杯守りたいけどさ…俺弱いんだよ、知ってるだろ?」
Aちゃんは、一切微笑みを崩さない。
聞こえるのは…少しだけ揺れて鳴る、鈴の音。
『君は、強いよ。大丈夫』
なにいってんだ、Aちゃんは。
弱いから今回だって、Aちゃんも俺も死にかけたのに。
Aちゃんが微笑んだ顔は、いつも通りすっっごい綺麗だった。
だけど……
何故かほんの少しだけ、怖かった。
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ひかり(プロフ) - craneberry1223さん» すいません!直しておきました! (2019年10月19日 11時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
craneberry1223(プロフ) - 伊之助と村田のセリフ直してください。全部、伊之助になってます (2019年10月19日 10時) (レス) id: 1013b94a43 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年9月29日 1時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2019年9月29日 1時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 吹雪咲彩さん» ふぶちゃーん!!ほんと?!ありがとう(*^^*) (2019年9月28日 12時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひかり | 作成日時:2019年9月23日 15時