守り神は隙が無いようで【鬼滅の刃】

弐. ページ4

だけどその元凶を視覚が捉えない。






…となると、距離がかなりあるはずだ。






それなのに、ここまでの雰囲気を出す鬼がここにいるというの…？





ここには、人を２,３人食った鬼しかいないときいたはずなのに。









どこだ。元凶は…








あまりにも五感が反応し過ぎて、頭が混乱する。









後ろからも鬼の気配…









『邪魔をするな…！！』









私振り返らずに、鬼の首を飛ばした。




後方の鬼の気配が消える。









『はぁ…五感を、ひとつに集中させろ』









ここまでの雰囲気を醸し出す元凶を、探し出せ。





簡単なはずだ…






だけど、あまりにも全方向から鬼の気配を感じ、肝心な「元凶」を探し出せない。









『すぅー…はぁ……落ち着け』









久しぶりの強敵の雰囲気に、動揺しているだけ。




息を整えて。




鬼の「味」を見極めろ。









空気の味を感じる味覚だけに、全てを集中させて…！









『よし、こっちだ…！』









そして走り出した。




近い、この雰囲気…！









その瞬間だった。









ふと、あの鬼の雰囲気が薄まった。









まだ微かに残る鬼の雰囲気を頼りにその場に向かう。









？「…悲しい匂い。」









すると、そこには既に倒された鬼の手を、切なそうに握る少年がいた。









？「神様…どうか。


この人が今度生まれてくる時は…




鬼になんて、なりませんように。」









『…！』









私は一瞬、息をすることを忘れていた。




鬼へ、あんな風に対応する人を見るのは初めてだった。







それに、この状況を見るからして…あの強烈な雰囲気を放っていた鬼を、この少年が倒したというの…？









？「……」






『少年』







？「わぁっ！！」








『驚かせてごめんね。
私は神楽月A。』









唐突に自己紹介をする私に、少年は少し不思議そうな顔をした。









炭「俺は竈門炭治郎。

(…この人からはなんの匂いもしないなぁ)」









『竈門炭治郎…そっか。

ふふ…君強いんだね』









？「えっ…？」









『じゃあね、また7日後生きてたら会いましょう！』









私はそれだけ言って、山の奥に走った。








…竈門炭治郎、か。








なんだか面白そうな人だったなぁ…。

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