守り神は隙が無いようで【鬼滅の刃】

弐拾.「鼓の屋敷」 ページ22

そして子供たちが教えてくれたことは、





「ここは化け物の家」


「この子達のお兄さんが連れていかれた」


「それも、この子達には目もくれないでお兄さんだけ」






………お兄さんは、稀血である可能性がある。



じゃなかったら、鬼は特定の人だけさらっていくなんてこと…あまり無いはずだ。



推測にしか、過ぎないけれど。









善「……Aちゃん。炭治郎。

なぁ…この音なんなんだ？気持ち悪い音。
ずっと聞こえる…鼓か？これ…」






私は、聴覚に意識を集中させた。





…もっと、ほかの感覚を捨てて…聴覚に。








『…！聞こえた』







…善逸が、怯えた表情をした理由がわかった。



確かにこの音は…少し、気味が悪い。







炭「音…？音なんて…」









そのとき、屋敷から鼓のような音が聞こえてきた。


今度は、聴覚を特別意識しなくても、聞こえる程度の大きさの音。









その瞬間









屋敷の窓から、血まみれの人が落ちてきた。









「きゃぁぁぁあっ！！」









炭「見るな！！」









炭治郎は、子供達にその光景を見せないようにした。









炭「大丈夫ですか？！しっかり！」





『…炭治郎、その人の傷を見せて』








私は落ちてきた人の傷を見る。









『…だめだ、深い』





炭「そんな…！」









「せっ…かく、…出られた…のに……。

外に……でら、れた…のに。



死ぬ、のか……俺…」








男の人は、苦しそうにそう言った。




……守れなかった、人を。








男の人の息が途絶える。








私が、もっと早くここに来ていれば…助けられた？守ることが出来たのかな？









『……ごめんなさい』









私は、小さな声で謝った。









善「炭治郎……もしかしてその人、この子達の……」









その時、地面が大きく揺れた。




鼓の音も、大きく…そして、何度も叩かれた。









……なんだったの、今の。






善逸は、私の足にしがみついてガタガタ震えている。









炭「ねぇ、この人は君達の…？」






「に、兄ちゃんじゃない…。兄ちゃんは、柿色の着物を着てる…」







炭「そうか…何人も捕まっていたんだ」









炭治郎はその人を寝かせ、手を合わせた。







私も同じように、手を合わせる。

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