守り神は隙が無いようで【鬼滅の刃】

拾伍. ページ17

＊ ＊ ＊






Aちゃんの心の音は聞こえなかった。





だけど、






『……はい！もちろん、私がこの村を守ってみせますから安心してください！』








そうやって答えた彼女の顔は、どこか無理をしているように見えた。






……ん、てかまって？！





15歳のこんな可愛らしい女の子が守り神ってどーゆーことなの？！






妙に村人達からも好かれてるし？


え、Aちゃんってすごい人なの？！









途中、何度も村の人にAちゃんは呼び止められていた。





村人達がAちゃんに向けていたのは、



「信頼」

「期待」

「安心」



の、3つだった。





多分これには、五感が優れているAちゃんは気がついていると思う。







…にしても、五感全部が優れてるってやばくない？






鬼殺隊になるために生まれてきたの？ねぇ？！







俺は頭の中でAちゃんに質問を投げつけていた。





･





･





･



『はい、ここが私の家』






Aちゃんの家は、本当にごく一般的な家だった。



あんなにみんなから「守り神」とか言われてるくらいだから、神社とかに住んでんのかと思ってた。









『親もいないし、適当にくつろいでよ。』









Aちゃんは、ここに来るまでに村人からもらったおはぎやら着物やら、まあとにかく沢山のものを部屋に置いた。









『おはぎ、食べる？』






善「でもそれ、村の人がAちゃんにくれたんじゃ…」






『何言ってるの。昨日も君、食べてたじゃない』








……昨日？






俺は、Aちゃんからおはぎをもらった。









善「……いやぁぁぁーーーーっ！！
女の子の手作りおはぎじゃなかったァァァ！！」







『あはは〜』








善「あはは〜、じゃないよ？！
すごいへこんだぞ！！今！」







たしか、おはぎを作っていたのは70歳以降のおばあちゃんだった。




たしかに女の人だけどさぁ……？！








『食べる？食べないの？』






善「ぐすん…食べます…」








『(結局食べるんだ…)』









……このおはぎ、美味しい。









善「Aちゃんは、なんで守り神って呼ばれているんだ？」







『……あー、なんか、ここに来る鬼を倒してたんだよね、私。』








善「なにそれ凄い。ヒーローそのものじゃん！」







この女の子…本当に何者なの？！

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