守り神は隙が無いようで【鬼滅の刃】

拾壱. ページ13

…落ち着け。




大丈夫。私はやれる。2人を守れる。









『善逸…男の人を連れて、下がって。
私が片付ける』








まずは姿が確認できてる1匹を片付けよう。









『全集中…光の呼吸。

壱ノ型 彼岸光月！』









鬼の首は、すぐに飛んだ。









「ヒィッ…！！」









次はどこから来る…？









…左右から同時にくる！！








私は上に飛んだ。









予想通り、私を捕らえようとしていた鬼が2匹現れる。









「とんだ…？！」



「ﾁｯ…小賢しい！！」









『……！人間の匂い。』









もしかして、あの男性の娘が近くに…？！









その時、後ろからの気配に一瞬気がつくのが遅れた。









『…カハッ……！！』







善「Aちゃん…！！」









地面に叩き落とされ、一瞬呼吸が困難になる。



が、地面に這いつくばっている暇はない。








私を地面に突き落としたのは、もう1匹の鬼だった。








その鬼の腕には、女の子が抱えられていた。



私の匂いを嗅ぎ分けた鬼達は騒ぎ出す。









「お前…稀血だな…？」




「うまそうな匂いがする…！おい！お前はどこかにいけ！」




「うるせえ！お前が消えろ！」









鬼は基本、群れない。



そのため…獲物を前にしたら、同族同士の争いを始める。









今しかない。女の子を救うのは…









女の子を切らないように、3人の首を飛ばすには……









『全集中…光の呼吸！

参ノ型、光輝 連斬(こうきれんざん)！』








その瞬間、鬼の首が飛ぶ。




気を失っている女の子は、どさりと倒れた。









…よかった。息はある。









『お父さん、娘さんは無事ですよ』






「あ、ありがとう…ございます！！」






そのあと、男性はなんども私に泣きながらお礼を言った。



…よかった、守れた。







私はその安堵を外に漏らさないように、微笑んだ顔を作っていた。








善「Aちゃんんんん！！すごいよ！強いよぉぉお！！」





『ぜ、善逸…ちょっと、背中触らないで…痛いから』





善「うぎゃぁぁあ！ごめんんんん！」







…本当に、騒がしい。


だけど、嫌な騒がしさではなかった。







なんでかな。









……いや、それにしても、背中が痛い。



あんな雑魚に一瞬でもやられる私ってなんなの？！

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