守る力 ページ39
？「お困りですか？」
私が顔を片手でおおっているとき、至近距離から声が聞こえた。
目で確認しなくても、その声の主はわかった。
『________…ベータ。』
私は指の隙間からベータの姿を確認した。
ベ「あら…。腕の傷、痛そうですね」
私の腕に巻いてある包帯の上を、ベータは指で軽くなぞった。
その軽い指の動きでも、傷が痛み出す。
『触らないで』
その手を軽く払い、私は手をどかして横になったままベータを睨んだ。
ベ「あら、連れないのね。」
ベータはそして私の頬に手を当てて目を覗き込んできた。
『………』
ベ「私、Aさんのその人を蔑んだ目…好きですよ？
ほら、あの雷門を裏切った時なんて…」
『黙れ』
ベ「……！！！」
私は皆が居ないことをいいことに、ベータに冷たく言い放つ。
ベ「雷門の皆さんでいる、馬鹿な貴方より、よっぽど今の冷たい、
まるで1人で研ぎ澄ました氷の剣のような貴方の方が好きですよ。」
ベータは私にそう言ってから私から離れた。
『………あんたは、何の目的で私に近付いているの？』
そこでベータは足を止める。
ベ「可愛いからで…」
『……違うだろ？もっとほかの目的があるはずだ。
……答えろ。ベータ』
私はシードだった時のような冷たい目でベータを見た。
ベ「ふぅ。まあいいでしょう。
Aさん、私は貴方の持っている、「力」が欲しいのです。」
『力…？』
ベ「はい。特別な力。
それを最初はエルドラドも警戒していましたが…。
今は、プロトコル・オメガにあれば今より圧倒的に強くなれる力、「守る力」をあなたは持っています。」
……？守る、力？
『DF…ってこと？』
ベ「いいえ。そのような意味ではありません。
まあ、あとの意味はご自分で考えてください。」
次にベータに目を向けた時には、もうそこにはベータの姿がなかった。
そしてもう一度草の上に倒れ込む。
『守る…力？』
DFでは無いとしたら…一体どういう意味なの？
私には何も守れるものなんてない。
結局自分の大切な仲間、大切な人でさえも何一つ守れなかったんだから。
そんな力があるのなら、霧野先輩達は今も私達と一緒に笑ってくれているはずだ。
『……、泣くな。笑え。作るんだ。自分を…』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
女海結香 - 私が作った小説を読んで下さったら教えてくれませんか？ (2020年2月11日 16時) (
レス) id: a0c2a02850 (このIDを非表示/違反報告)
女海 結香 - ありがとうございます (2020年1月31日 19時) (レス) id: a0c2a02850 (このIDを非表示/違反報告)
月織ひかり(プロフ) - 女海 結香さん» わかりました〜！！ (2020年1月31日 17時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
女海 結香 - 私も無印好きです。 私も小説を作っていてアレスの天秤で「サッカーもサッカーの仲間もいらないと思ってた」とオリオンの刻印で「最強の女神」を作っているので見に来てください♪ (2020年1月31日 1時) (レス) id: a0c2a02850 (このIDを非表示/違反報告)
月織ひかり(プロフ) - 女海 結香さん» 普通に好きですよ〜！でも1番は無印時代ですかね...！ (2020年1月30日 22時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひかり | 作成日時：2019年5月18日 4時
