演技派シード【究極の絆グリフォン】【劇場版】

怒る ページ41

白竜side



『存在価値がないなんて私が言わせない！！！訂正しろ。ゴミクズ』



牙山に馬乗りになって胸ぐらを掴むAは、聞いたことの無いくらい冷徹で…そして怒りが滲み出ている声で言った。



牙「…と、とにかくどけろ！」



『存在価値がない…？それ本気で言ってるの？！』



牙「あ、ああ！！」




ガンッ





…Aが、牙山の顔面に1発拳で殴った。



鈍い音がした。絶対痛い。



霧「A！」



剣「おいやめろ！」



雷門の選手がAを牙山から引き離した。



『このおっさん…マジで殺 す！！！！！』



霧「落ち着け！そんなに取り乱すなんてらしくないぞ？！」



Aは、雷門のピンク色の髪の女子(？)に落ち着くように言われているようだ。



でも…なんでAがあれほど怒る理由があったんだ？



もちろん、俺だってあんなことを言われたら流石に嫌だ。



だが、Aが言われた訳でもないのに、何故そんなに激怒しているんだ？



白「…A。お前は何故そんなに激怒しているんだ」




Aは驚いた顔でこちらを見た。




『…白竜やシュウは、1年とか…少しの時間しかいなかったけど、大事な人だもん。
それに…存在価値が無いなんて……私が言わせない。』



Aは、そういって笑った。



お前が…俺とここで過ごした時を忘れて変わったのだと思うと、
どうしてもやり切れない気持ちになっていた。



なんでだろう。こんな女、どうだっていいじゃないか。


それに今はライバルでもなんでもない、ただの敵だ。




何を勘違いしていたんだろう。





こいつは、「演技派」とか言われているが…誰よりも真っ直ぐで優しい奴だ。



だからこいつが…俺とここで過ごした1年をなかったことにするなんて、有り得なかったんだ。




じゃあ俺は…ただ俺がAが知らない間に変わっていたことが少し寂しく思っていただけなのか？





…っ。屈辱だ。




だが認めざるおえない。








白「A…ありがとう。」

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