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宮侑は高校の時から金髪で、それは今も変わってない。
周りには沢山の人がいて、私とは全く関わりがなかった。
強いて言えば、一週間だけ彼に勉強を教えたことだけだ。
当時の担任に「宮の成績が悪いから見てやってくれ」と言われ、内申欲しさに二つ返事で了承した。
" 「春川さん、教えんの上手いなあ」 "
酒を飲む手が止まる。
下から覗き込むように私の顔を見る彼は、どこか惹きつけられたのを思い出した。
『………って、何年前だっつの』
「なんか言ったか?春川さん」
『え?』
後ろを振り向くと、グラスを片手に持つ宮侑。
「久しぶりやな」
『ああ、うん』
私の右に座った。ナチュラルに座るあたり、女の子には慣れてそうだ。
………何でこんなこと考えた?
「春川さんも上京したんやろ?何かやりたいことでもあんのか?」
『やりたいこととかはないで。うーん、東京に行ってみたかったんよね』
半分本当で半分嘘。
やりたいことはあった。
本当は絵を描く仕事がしたくて上京した。
美術系の大学に進んだし、大学でもなかなかの成績だったと思う。
「そうなんや。–––あれ?春川さん右利きよな?」
『…ッ……』
左手で箸を持ち、唐揚げを皿に盛っている最中、宮侑が不思議そうに見た。
『––––特訓中?的な!両利きってなんかかっこええやん?』
「まあ確かにな」
鋭い、何かを察したような目。
その目で、私を見るな。
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池田(プロフ) - 茜さん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません。そう言っていただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2022年10月21日 13時) (レス) @page20 id: 7362264056 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - はじめまして。素敵なお話ですね!夢主共感できる部分も多く、楽しく読ませて頂きました。後で他の小説も読ませて頂きます。 (2022年9月8日 23時) (レス) @page20 id: 42242e81de (このIDを非表示/違反報告)
池田(プロフ) - ;; ・。・さん» 命はお大事に(?)!!!こちらこそ読んで頂いてとても嬉しいです!ありがとうございます!! (2020年12月8日 22時) (レス) id: 7362264056 (このIDを非表示/違反報告)
;; ・。・(プロフ) - くっそ尊すぎて死にそうになりながら見てます絶命しそう好きです素敵な作品ありがとうございます、、、、 (2020年12月8日 20時) (レス) id: faf8ccb6a1 (このIDを非表示/違反報告)
池田(プロフ) - 深月あかざさん» コメントありがとうございます!!^^ (2020年6月14日 20時) (レス) id: 7362264056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:池田 | 作成日時:2020年6月6日 17時