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「かんぱ〜〜い!」
今回の幹事は私の友達らしい。
集まった人数はざっと、十人程度。
その中に、まだ宮侑はいない。
少し残念な気分になる。
始まって1時間が過ぎ、みんな酔いが回ってはしゃぎ尽くしていたとき。
「えらい遅なってしもた、すまんな」
–––––明るい、金色。
「遅いぞ侑!」と周りのみんなが宮侑に寄っていく。
多分みんな、宮侑に会うために来たんだろうな。
…私も含めるけど。
「お前ら飲み過ぎやろ!」
ベタベタとくっつく可愛い女の子達に向かって、笑いながら声をかける。
服装も、練習後なのかこの前の私服とは違いジャージ姿だった。
お店の人も宮侑選手じゃない?と噂話。
どうして、私と連絡先を交換したんだろうか。
聞きたいことはいっぱいあるのに、聞くことができなくて。
あの女の子達みたいに、なれたらいいのに。
ちまちまとビールを飲みながら、ぼーっと考え込む。
「ここ、ええ?」
そしてまた彼は、私の右に立っていた。
「てか座るけど」
『…あ、どうぞ』
「このあと時間ある?」
『このあと、って?』
「二次会行かんと俺と飲まん?」
ビールを飲みながら、この人は淡々と言った。
(あー、…落とせそうな女だと思われてんのやろな)
『ごめん、もう帰るから無理』
「は?」
『さっちゃん、私もう帰るわ!また誘ってー!』
みんなから逃げた。
というより、宮侑から逃げた。
『……簡単な女だ、私』
「…ちょお待てや!」
『は、何…?』
全力で走ったのに。
たやすく腕を引かれ、私達は止まった。
「気に障ったならすまん。俺が嫌いならそう言えや」
『別に、嫌いとかじゃ、』
「連絡しよう、思うてたのに緊張してしもて」
何も送れやんだ、と。
『何それ』
「ちょっとでも男ってこと意識させやなって、さっきは、その、二人でとか言ってもうたし」
この人は、
「やから!俺はまだ春川さんが好きやねん!」
またあの赤い顔をしていた。
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池田(プロフ) - 茜さん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません。そう言っていただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2022年10月21日 13時) (レス) @page20 id: 7362264056 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - はじめまして。素敵なお話ですね!夢主共感できる部分も多く、楽しく読ませて頂きました。後で他の小説も読ませて頂きます。 (2022年9月8日 23時) (レス) @page20 id: 42242e81de (このIDを非表示/違反報告)
池田(プロフ) - ;; ・。・さん» 命はお大事に(?)!!!こちらこそ読んで頂いてとても嬉しいです!ありがとうございます!! (2020年12月8日 22時) (レス) id: 7362264056 (このIDを非表示/違反報告)
;; ・。・(プロフ) - くっそ尊すぎて死にそうになりながら見てます絶命しそう好きです素敵な作品ありがとうございます、、、、 (2020年12月8日 20時) (レス) id: faf8ccb6a1 (このIDを非表示/違反報告)
池田(プロフ) - 深月あかざさん» コメントありがとうございます!!^^ (2020年6月14日 20時) (レス) id: 7362264056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:池田 | 作成日時:2020年6月6日 17時