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『–––––わあ！』
体育館の中はまだ始まってもないのに熱がすごい。
選手の名前が書かれたうちわを持ってる可愛い女の子も居る。
そういえば大学の友達も、今のバレー選手の顔面偏差値とバレーの上手さ半端ない！！って興奮してたような。
友達は影山さん推しらしい。
プレーは超上手いし、顔もイケメンで体つきも文句ないほど素晴らしいけど、どうにか憎めないあの性格が私にはツボで。
あんなに天然な人見たことないよね、うん。
–––––まあそんなことは置いておいて。
席に座ると結構隣との距離が近い。
赤葦さんは背も高くてしっかりした体だからなのかたまに腕が当たったりして恥ずかしくて下を向いてしまう。
「あはっ、緊張してる？」
と覗き込まれる。
はあ、尊い。
『人多いとこあんまり行かないだけですっ』
「へえ？–––––あ、木兎さんたち出てきた」
『ほんとですね！！』
木兎選手や他の選手も出てきて会場全体の声が大きくなった。
こんなたくさんの人に見られながらプレーするなんてやっぱりプロってすごいなあ。
そして試合が始まった。
レシーブが綺麗に返ったり、スパイクが決まった時には思わず声が漏れる。
その様子を見て赤葦さんが笑う。
『何見てるんですか！』
「いや見てるだけ。……楽しい？」
『めっちゃ楽しいです、やっぱプロはすごいなって』
そうだね、と言い、試合にお互い集中した。
–––––試合終了後。
「この後木兎さんと会うけど、Aも会う？」
『…なんか悪い気がするのでやめときます！赤葦さんも木兎選手と色々話したいと思うし…』
会場にいる人たちだって会いたいのに、私なんかが会うなんて恐ろしい。
会いたいのはそりゃあそうだけど。
「いや、大丈夫だよ。日向も多分いるし」
ね？と小声で囁かれる。
その声に弱いんですよ、もう。
『じゃあ、えと、お言葉に甘えて……』
「うん、良かった」
*****
「今赤葦からLINEきてよー！日向の後輩？も一緒にどうかって！」
「え、誰だろう…後輩……」
「赤葦の友達ってどんな奴なんだろな」
「まじで検討つかないっす」
「日向の後輩の写真見て当てよーぜ！！」
裏で木兎と日向はこの話で持ち切り。
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作者名：池田
| 作成日時：2020年4月23日 19時
