【HQ】隣の314号室【日向翔陽】

4 ページ4

.



渡されたチケットを北先輩に見せると、びっくりしたような顔をした。


「…これ、後輩もおるわ。しかも俺も観に行くで」


『え！なら一緒に行きましょうよ！』


北先輩の後輩とか見てみたいし。

「まあええよ」


『オレンジヤンキーさん、日向さんっていうみたいです！知ってます？』


「ああ、そいつな。よお知っとるわ」



過去を懐かしむような顔。

学生時代関わったのだろうか？
でも日向さんは関西の方じゃなさそうだったけれど。


「まあ隣が日向なら安心やな。謎の音も推測がつく」


『え、つくんですか！？教えて下さいよ！』


「はい、仕事仕事」



そういって仕事に戻っていく。

バレーボール業界では日向さんはだいぶと有名なのだろうか？


スポーツはあまり興味なく、オリンピックなどしか観ない。


うーん。ネットで調べてみる？


……すると。



『うわすっご……』



今の世の中は恐ろしいほどすごいもので経歴や年齢も記されており。


プロ選手、じゃん。


「伊藤？はよ仕事せえ」


『あっすみませんっ』



北先輩からのこわ〜い眼差しからは逃げられない。



*****

お昼休み。


『日向さんのこと調べてたんですよ』


「おん。便利な世の中やな」


『ほんとに。そしたらめちゃくちゃすごい人で…』


「そやな」


『早く日向さんのバレーボール見たくなりました！』


「動画とか見いひんかったんか」


動画を見たら何か違う気がした。

生で活躍している姿を見てみたい。



「まあ日曜、楽しみにしとけ」


『めちゃくちゃ楽しみです！』



そういえば、北先輩の後輩って？と尋ねると、


「日向と同じチームのセッターやっとるよ」

『セッター、って、』


スパイクを打つためにトスを上げる役割の人？か。

バレーボールの知識は中高の球技大会レベル。



「まあそいつもまだまだやな」


そういう北先輩の顔は、優しく笑っていた。


北先輩をこんな風にさせるなんて、よっぽど学生時代の部活楽しかったんだな。

それからもたわいもない話をしていた。

5→←3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す