【HQ】隣の314号室【日向翔陽】

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"日向に充分な愛を与えるだけでええんや、支えるだけでええんや"


愛なんて、与えられるものなら与えてる。

でも今は両思いでもないのに、先のことを言われても困るだけだ。
余計に辛くなる。


涙が出そうで、早歩き。


そうだ、日向と行った居酒屋へ行こう。そう思い足を運んだ。




*****



一人だから、とカウンター席へ座る。


すると、テーブル席に日向と女の人の姿がある。



幸い、日向は私に背中を向けているため、日向にはバレていない。


でも楽しそうに話す二人を直に見ることになり、今の私にはダメージ大。



日向と話す女の子は、金っぽい茶色っぽい髪の可愛らしい女性。



––––––嫉妬。



この文字が頭に入ってくる。

ドロドロとした感情が心の中を駆け巡り、頭から二人の光景が離れず、お酒を飲むことで忘れようとした。


居酒屋の大将にも、

「お嬢さん飲み過ぎじゃねえか？気を付けろよ」


という言葉をかけてもらったが、そんなのはお構いなし。



とっくに酔っている。もう修正不可能。



すると居酒屋のドアが思いっきり開く。




「––––––––伊藤！！！」



「おい飲みすぎんなや行くぞ！あ、すんません勘定これで」



とお札を大将に渡す、––––––北先輩。



なんで来たんですか、なんでここがわかるんですか、と言っているが涙のせいで上手く話せない。



「とりあえずここ出よ、昼はすまんかったな」


『…っふ……わたし、も、ごめ、なさ…っ…』


「はいはい、ええからもう喋んな」



優しく背中をさすられ、店を出た。



「(日向にガッツリ見られてしもうたな)」

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