【HQ】やくくんとおよそさん【夜久衛輔】

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『わ！スイカ！』




「近所の人にもらったんだよ。4人で食おうぜ」








高校生活最後の夏がやってきた。


毎年のように午後練の後飯を食いに行き、花火を買って黒尾の家に向かう。





そして今年は大きなスイカもあり、4人で花火をしながら食うことにした。









『もう3年生の夏かあ…』




「はえーよな。次がラストチャンスだ。絶対全国行くぞ」



『そうだね……』








そんな会話を凡と黒尾はしており、俺と海は黙って聞いていた。



4人で集まった時、やっぱり黒尾と凡はセットみたいなところがある。

まあキャプテンとマネージャーだし、部活で関わるのが多くなるのは必然だけれど、俺としては気に食わない。





凡とも黒尾に負けないくらい仲良い自信はあるんだけどなあ。









「ほんと早いよな」


「そうだな」


「俺本当は2年の夏に告るつもりだったのに」


「そんなこと言ってたな。結局恥ずかしくてやめたんだっけ」


「おう。もうここまで来たら春高終わるまでは言えねえわ」


「高校生あっという間だぞ」


「う………それはまあそうだけど…」






何でかは知らないが海には1年の頃から俺が凡を好きだってことはバレていた。


だからたまに恋愛相談のようなものをしている。






–––––––––––– "高校生あっという間だぞ"



海の言葉が心にグサッと刺さる。







スイカを頬張る凡は、2年前と違って綺麗になっていてドキドキしてしまった。





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