Episode16 愛されること ページ17
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『俺って、なんで寮長になったんだ?』
そんなの決まってる。
学園生活がつまんなくて、アズールたちが入学してきた時に楽しみたかったからだ。今までそう思ってた。
マレウス「答えはお前の中にあるのではないのか?」
『なら視点を変えてみようぜ。俺はみんなからどう見られてると思う?てか、マレウスはどう思ってるんだ』
質問した後、数メートル離れたところから声が聞こえた。
「え、あれって」
「ドラコニアとマイヤーじゃん」
「マレウスのとなりで寝れるとかバケモンかよ…」
不快なこと言う輩だ。こういうのは時々いる。ほとんどの価値基準が先入観からきてるらしい。
『……うるせェー奴ら』
マレウス「不快なら雷を落としてやろうか?」
マレウスの手のひらに電気が現れて、遠くの空の雲行きが怪しくなってしまう。
『ちょ、それはやりすぎ』
マレウス「そうか…」
『でも、いつか喰らわせてやるのもいいじゃねェか。学園じゃないとこでなァ』
マレウス「フフ………。僕はお前の偽りのない言葉を言うところを気に入っているぞ」
『だってよォ、誰でも嘘つきは嫌いだろ』
マレウス「ずっとそうでいてほしいものだな」
『おー、できる限りそうする』
ビュンッ!!!!!!
『ん?なんか飛んで……』
体育の授業で使われているボールが俺の頭上をめがけて飛んできた。だが、ボールは鼻先でピタリと止まる。
マレウスが長い指先で魔法を使うと、ボールは地面に向かって垂直に落ちていった。
『危ね。ありがと、……っ』
手の甲に落とされた、冷たい唇
そのキスには、深く棘のある愛情がみてとれた
『………ん?』
なんだこの、"時が止まった"みたいな感覚。
今さっきマレウスになにかされた気がするが、どういうわけか数秒前の記憶が吹っ飛んでいて、何も思い出せない。
マレウス「僕はお前が他の者にどう思われていようが、お前が好きだ。それ以上に何を求める?」
『え。なに、って………それは』
寮長たちへの不信感、迫りくる焦り、それによって思い出された過去の記憶。
俺の知らねェうちにストレスが蓄積されてたみたいだが、マレウスの微笑みが、それを打ち消してくれる気がする。
レオナ「ボールを返せ。トカゲ野郎」
その時、俺の真上に獣人の影ができた。
飛んできたボールの主はレオナ先輩みてェだ。
Episode17 仇敵の対面→←Episode15 "Friendship"
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かれーらいす(プロフ) - 憂さん» ありがとうございます! (8月11日 3時) (レス) id: 5ca5f702d5 (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - とっても面白いです!!すごい速さで読み進めてしまいました笑 お話の続きが気になりすぎます!!お身体などにお気をつけて無理の無い程度に更新頑張ってください!!続きを楽しみに待ってます!!( *´꒳`* ) (6月14日 3時) (レス) id: 9c386c62ed (このIDを非表示/違反報告)
かれーらいす(プロフ) - 檸檬さん» ありがとうございます!!お話を面白い方向に持っていけているか不安だったのですが、檸檬さんのコメントを読ませていただいてとても嬉しく思いました*ˊᵕˋ*これからも宜しくお願いいたします。 (2023年2月7日 21時) (レス) @page29 id: 75feb1bede (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - すごく面白かったです!!男主くん………すっごい好みです……性格もプロフィールも全部好みなんです!初めて読ませていただいたときからハマってしまいました!お体に気をつけて更新頑張ってください!応援してます(*^^*) (2023年2月7日 19時) (レス) @page29 id: 069557edb4 (このIDを非表示/違反報告)
かれーらいす(プロフ) - 零さん» 励みになるお言葉ありがとうございます!更新遅れないように努めます! (2023年1月28日 21時) (レス) id: 75feb1bede (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かれーらいす | 作成日時:2022年6月19日 17時