Episode20 泣かせんなよ ページ21
・
パタン
閉められた扉
引き留めようとした手が取り残された。
アズール「A……」
ジェイド「あのような言い方でよかったのですか？」
フロイド「言われたから俺らも冷たい言い方したけどさぁー。絶ッ対ェ、傷ついてんじゃん」
アズールは、耳にした"事件"を思い出し、唇を噛み締めた。もしその"事件"を知らなければ、こんな形で寮長の座を奪おうとはしない。
けれど仕方ないと思った。なにか起こってしまっては遅いから。早く寮長の座を奪ってしまわなくては、と。
アズール「いいんです。僕は寮内の安全を取った。もう友達であろうと吹っ切ることにしたんです」
ジェイド「吹っ切る………友をですか？」
アズール「お前たちは詳しく知らなくていい。手伝いも不要です。とにかく、この件にはこれ以上口を出さないように」
アズールは、そう言い残して部屋から出て行った。取り残されたジェイドとフロイドは、呆然としてその場に佇む。
フロイド「は〜ぁ」
フロイドはため息をつきながら、イスにもたれかかった。
閉じた目を、ゆっくり開いて、煌めくシャンデリアの光を目いっぱいに入れる。
アズール「Aさん」
『 ────、─── 。 』
フロイドの目には、あの時Aが、小声で何かを言っているように見えた。
人魚の言葉だ。確か、あの言葉の意味は。
『 また………ひとりだ 』
ジェイド「フロイド、そろそろ部屋に戻らないといけません。門限を過ぎてしまいますよ」
フロイド「………アズール、バカじゃん」
ジェイド「アズールには、何か事情があったんです。それに、この件には首を突っ込むなと」
フロイド「Aは傷ついてたし、泣いてたんだけど」
ジェイド「泣いてなんて……」
フロイド「分かんだろ。心の中で泣いてた。どんな事情があっても、友達泣かせんのはおかしいだろ」
フロイドは、立ち上がってジェイドの横を通り過ぎる。
その時、ジェイドの目には、とても不満がっているフロイドの表情が見えた。
ジェイド「……どうするんです？」
フロイド「ん〜、どうするって？」
フロイドの声が少しだけ上機嫌になった。
ジェイド「僕たちがやらなければ、とてもこじれそうだ。片方は鈍感、もう片方も鈍感です。2人の仲を取り戻しましょう」
フロイド「いいねぇ、俺もやる〜。まだホリデーはあるしさぁ、いい計画立てようぜ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 473人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かれーらいす(プロフ) - 憂さん» ありがとうございます！ (8月11日 3時) (
レス) id: 5ca5f702d5 (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - とっても面白いです!!すごい速さで読み進めてしまいました笑 お話の続きが気になりすぎます!!お身体などにお気をつけて無理の無い程度に更新頑張ってください!!続きを楽しみに待ってます!!( *´꒳`* ) (6月14日 3時) (レス) id: 9c386c62ed (このIDを非表示/違反報告)
かれーらいす(プロフ) - 檸檬さん» ありがとうございます!!お話を面白い方向に持っていけているか不安だったのですが、檸檬さんのコメントを読ませていただいてとても嬉しく思いました*ˊᵕˋ*これからも宜しくお願いいたします。 (2023年2月7日 21時) (レス) @page29 id: 75feb1bede (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - すごく面白かったです！！男主くん………すっごい好みです……性格もプロフィールも全部好みなんです！初めて読ませていただいたときからハマってしまいました！お体に気をつけて更新頑張ってください！応援してます(*^^*) (2023年2月7日 19時) (レス) @page29 id: 069557edb4 (このIDを非表示/違反報告)
かれーらいす(プロフ) - 零さん» 励みになるお言葉ありがとうございます！更新遅れないように努めます！ (2023年1月28日 21時) (レス) id: 75feb1bede (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かれーらいす | 作成日時：2022年6月19日 17時
