「可愛い」とは 3（緑） ページ6
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「おついちさん…？」
「可愛すぎるでしょ、ずるい」
「へ…」
おついちさんは、顔を隠すように手で覆った。
その耳は、真っ赤になっている。
「いきなりめちゃくちゃお洒落して来るし、
すっごい似合ってて綺麗だし、
しかもその理由が僕だって言うし」
「えっと…あの…え？」
「ただでさえ可愛くて仕方ないのに
これ以上可愛くなってどうするつもり？
Aちゃんは僕をどうしたいの？」
聞いてるこっちが恥ずかしくなるような台詞。
言ってる本人が至って真剣だから、
どんな反応をしていいのかわからない。
「おついちさん…？」
「何か勘違いしてるようだけど、
僕はAちゃんがいいの。それに何より」
おでこに人差し指を突き立てられた。
「ちゃんと自分の可愛さを自覚して」
「…かわいさ？」
「僕にとってAちゃんは
他のどの女の子よりも魅力的なの。わかる？」
「ちょっと…よくわかりません…」
男の人に間違われるようなやつの
一体どこに可愛げがあると言うのか。
すると彼は、じゃあ教えてあげる、と前置きして
「綺麗な顔立ちしててスタイルもよくて
待ち合わせは毎回律儀に早く来てて
イケメンに間違われるぐらいかっこいいくせに
笑った顔がとてつもなく可愛くて」
「あのっ…分かりましたから…！」
これ以上は恥ずかしくて聞いてられない。
彼の口を塞ぎに行った手は
いともたやすく避けられてしまった。
「ダメ、わかってない。ちゃんと最後まで聞いて」
「…はい」
「俺のためにこんなにお洒落してくれて
どっからどう見ても美人なくせに
自分に全然自信がなくて」
顔が熱い。心臓がうるさい。
「こんな子、可愛くないわけないでしょ？」
トドメの一発。
彼の何が罪深いって、
さっきからずっと真剣な顔してること。
おついちさんは、あー…でも、と
何やら付け足したいことがある様子。
「なんですか…」
「無理してその格好しなくていい。
ていうか…むしろ外ではしないで欲しい」
「どうして…？」
「これ以上他のやつにバレたら嫌なんだよ…」
そうボソッと呟いた彼は、
私の耳に唇を寄せて、そっと囁いた。
"Aちゃんが可愛いってことは
僕だけが知ってれば良い"
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スピリタス(プロフ) - 名無しさん» リクエストありがとうございます。書かせていただきますので少々お待ちください！ (2020年1月11日 14時) (
レス) id: f275262868 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 風邪をひいて弱っている、おついちさんを読みたいです！よろしくお願いします！ (2020年1月11日 0時) (レス) id: bcd7017aaf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スピリタス | 作成日時：2019年4月7日 0時
