もっとはやく…。ーじゅりほくー (ページ10)

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じゅう。ページ10

side．樹

ほくとっていうんだって。

かっこよくない？？お名前まで。

ほんとにおれ、惚れちゃったんだなぁ。

ほくとに。

レシートにペンで名前を書いた時

可愛いなんて言いかけて焦った。

今日はオフで

コンビニにもあんまり人が来なかった。

いや、元からこのコンビニ人来ないんだよね。

それをいいことに

おれはタイミングを狙って

ほくとのいるレジに

しょうひんをだす。

松｢じゅりって、いっつも唐揚げと

おにぎりとアイスコーヒーだよね。｣

樹｢そうだよ～っ｣

と笑って返すと

ほくとは心配そうな顔をした。

どうしたんだろう。

松｢心配だよ。｣

樹｢…え？？｣

松｢栄養偏りすぎて心配です、、。｣

樹｢心配って、｣

いきなり過ぎて

ほくとの方を見ると

涙目でこっちを見ている。

なんでおれ、好きなやつ困らせてんだろ。

松｢どうせ家でもこれ以外

何も食べてないんだよね？？｣

樹｢…うん。

だって、食べ物なんて食べれりゃ

なんでもいいから｣

普通の人は゛そっか゛っていって

終わる話なのに

松｢そんなの…っ、｣

゛じゅりの身体がかわいそうだよ゛

ってつぎは綺麗に涙を流した。

優しすぎるんだよ。ほくとは。

樹｢でも、おれ、わからないし。｣

おれは栄養とかそんなの考えないから

全然わからない。

北｢おれが、えらびます…。｣

え？この子はどこまでお人好しなの、、。

樹｢わかった。じゃあ明日ここ来たら

声かけるから。｣

北｢わかった…。｣

樹｢ん、仕事行くね。

またあした。｣

コンビニを出ると

目の前の景色がぼやけて行く。

樹｢…っ、く、｣

俺の身体を気遣ってくれたのは

家族以外初めてで、

ほくとのやさしさに

泣いてしまった。