もっとはやく…。ーじゅりほくー (ページ35)

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さんじゅうご。ページ35

side．樹

ずっと不安だった。

ほくとに気持ち悪いって言われないか。

だって、付き合ってもないのに

クリスマスプレゼントが

歌なんて気持ち悪いじゃん。

でもこの子は泣いて喜んでくれてる。

よかった。

松｢ほんとに、おれに、？？｣

樹｢うん。ほくとのために書いた。｣

松｢おれ、幸せ者だねっ｣

樹｢でね、俺歌ったから

この動画貰って欲しい。｣

と言ってトークに動画を送った。

俺の歌声を聞かれるのは

少し恥ずかしいけど

好きな人に送る歌。

気合いを入れて何回も歌い直した。

松｢えっ！今聞いてもいい！？｣

とポケットからイヤホンを取り出して

俺の方を見て聞いてくる。

樹｢ん。少し恥ずかしいけど。｣

松｢じゅりにも恥ずかしいとかあるんだね｣

と笑ってくる始末。

松｢じゅりも一緒に聴こ？？｣

って片耳のイヤホンをおれに手渡す。

俺の歌を自分で聞くって鬼畜すぎ。

でもこんな可愛い顔でイヤホン手渡されたら

聞くしかないじゃん。

松｢この歌好きかも。

この曲のモデルさん、幸せだねっ、｣

って歌詞を見ながら悲しそうに笑うほくと。

モデルはほくとなのに。

樹｢なんでかなしそうなの、？｣

松｢この曲、貰えないよ

この曲のモデルさんにあげなよ…っ｣

ほくとは俺の渡した紙を

おれに返す。

ほくとの頬に涙がつーっと流れる。

だからモデルはほくとなんだって。

伝えたくても怖くて伝えられない。

樹｢なんで、泣いてるの、？｣

松｢あれっ、なんでだろ、｣

一生懸命服の裾で涙をふいて

俺の方をみてにこってわらう。

松｢あれ、とまらないや、

でも、もう、へーきだよっ。｣

弱々しくわらうほくとを見てられなくて

ほくとを抱き寄せて俺の胸の中に閉じ込める。

でもほくとは抱き締め返してくれなくて、

俺の感情は堪えきれなくて思わず

樹｢ねぇ、好きだよ。｣

と伝えてしまった。