もっとはやく…。ーじゅりほくー (ページ34)

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さんじゅうよん。ページ34

side．松村

俺のために走ってきてくれたじゅり。

呼吸も落ち着いてきたところで

松｢ふふっ、立ち話もあれなんで

そこの公園のベンチに座りません？？｣

樹｢うん。｣

と言ってベンチに一緒に座った。

コンビニに顔も出さなかったくせに

なんでおれのこと引き止めてんの。

なんて思っててもおれはじゅりが好きなわけで

断れない。

樹｢ごめんね。引き止めちゃって。｣

松｢いえっ、そんな！！

俺もじゅりと話したいって思ってたからっ｣

今思えは恥ずかしいこと言ってる。

樹｢…っ、それはまじで、｣

？？

街灯に照らされるじゅりの頬は

少し赤くなっていて

松｢顔赤いよ？？

大丈夫？？｣

なんて聞いてみたら

樹｢う、うるせぇっ、｣

ってあしらわれてしまった。

それから少し無言が続いて

樹｢あの、さ、

おれ、ほくとに

クリスマスプレゼント持ってきた。｣

北｢…えっ？？

ほんとに？？

おれ、買ったけど置いてきちゃった、｣

じゅりにはあわないだろっておもって

コンビニで渡そうと思って

じゅりへのクリスマスプレゼントを

家に置いてきた。

樹｢これ、受け取って欲しい。｣

と言って渡されたのは

1枚のプリント。

松｢…これが、プレゼント、？？｣

素人のおれには何が書いてあるのか分からなくて

戸惑ってしまう。

樹｢おれね、ほくとにクリスマスプレゼント

なに渡そうって考えたんだ。

好きな物も分からないし食べ物も知らない。

ケーキ、って思ったんだけど

なんか違うなって。｣

おれのこと、考えてくれてたんだ…。

それだけで胸が少し暖かくなった。

樹｢だから、俺が曲を書こうとおもってさ、

ほくとに曲書いたんだ～。｣

って。

樹｢おれこーいうの初めてだからさ、

色々時間かかっちゃって…っ｣

と照れながら笑うじゅりは

俺の知ってる人の中で一番かっこいい。

松｢…っ、｣

俺のために？曲を書いてくれた？？

もしかして、コンビニに来なかったのって…。

ほんっとに嬉しかった。

樹｢泣いてるの？？｣

気づいたら泣いていたみたい。