俺は俺。君は君らしく。ーきょもじゅりー (ページ9)

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たいがページ9

今日もおれは音楽室にこもって歌う。

今日は合唱部が休みの日。

放課後の音楽室はほんとに楽しい。

ピアノを弾いても歌ってもだーれも来ない。

おれは歌うのが好きなの。

でも人前で歌うのは好きじゃない。

歌うのに限らなくて人前に出ることが

ほんっとに苦手だ。

あと、友達がいるのか？って聞かれたら

いない。と自信を持って言える。

つって、クラスメートと話したこと

1回もないから。

人はみんな裏切るんだから

仲良くならない方がいい。

そう思ってた。

あぁ、嫌なことを思い出した。

いつもより激しめにピアノの音を鳴らす。

ピアノの音は俺の感情だ。

歌声は俺の表情。

しばらく歌ってて人の

足音に気づかなかったんだ。

ガチャっ、

扉の音がして咄嗟にピアノ下に隠れた。

樹｢だれか、いるの？？｣

知らない男の人の声が聞こえる。

気づかれないように隠れたつもりだったのに

その人は俺の事を直ぐに見つけて

腕を掴まれてしまった。

その人の表情はとても優しくて

髪色とは比例しないくらいだった。

いま思えば一目惚れだったのかもしれない。

それくらいじーっとその人の

綺麗な目を見つめていた。

そして思わず

京｢…だれ？？｣

と聞いてしまっていた。