俺は俺。君は君らしく。ーきょもじゅりー (ページ6)

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音楽室の前まで着くと

扉を開けようと深呼吸をする。

先生居ないのは分かってるのに

何故か緊張してしまう。

2回ほど深呼吸をした。

さっき歌ってた子はどんな子なんだろう。

なんて思いながら。

ガチャ。

扉を開けると

バタバタバタ！！と走る足音がした。

樹｢…？｣

ピアノの方を見ると椅子には誰もいなくて

ピアノの椅子が乱雑に置かれていた。

辺りを見渡してみると

ピアノの下に黒い影があるのに気づいた。

どうしても

さっきの歌声の主の顔を見たくて

その影に近づくと俺に気づいて

逃げていく。

おれはその影の腕を捕まえた。

？｢…っ！！｣

びくっと動く肩と

それと同時に2つの丸い点が

俺を見つめる。

真っ暗で顔が見えない。

けどきっと君は怯えた顔をしてるだろう。

だから、少しでもリラックス出来るように

樹｢ははっ、ごめんな。

驚かせちゃった？？｣

と笑ってやった。

京｢…。｣

それでも無言を貫く彼。

ピアノ下から出てくる様子もない。

人と話すのが苦手なのかな？？

それなら悪いことをしてしまった。

そう思って

樹｢ごめんね。もう驚かさないからさ。｣

とあやまる。

すると無言だった彼が

京｢…。だれ｣

と発した。

2文字だけだけどそれが嬉しくて

樹｢…！！じゅり！たなかじゅり！｣

と、小さい子に戻ったように

勢いよく言ってしまった。