5話 月曜 ページ6
そして月曜日。
朝練を終えて教室に戻り、教室のドアを開けた。
「あ、Aおはよう。」
「おはよ。」
ドアの近くに座ってた友だちと挨拶を交わし、席に座った。
今日は一限から日本史か。と少し憂鬱な気持ちもしながら教科書を出して机の中に突っ込んだ。
そしてHRまで暇だったのでスマホでショート動画などを見てた。
それから部活のグループトークへの通知を確認した。
…そういえば、連絡先交換したんだよな。
ふと金曜のことを思い出し、友だちの画面を開いて、宮くんのアカウントをタップした。
金曜のことがあってからなんかずっとボーッとしてて、日曜の部活では危うくボールに当たるところだった。
一緒にご飯食べよ。ねぇ…。
「椎葉さん。おはよう。」
「ん、おはよう……ってうぉ！？」
顔を上げると目の前に宮くんと角名くんが立っていた。
慌ててスマホの画面を下に伏せた。
てか全然可愛くない声出た。クソ恥ず。
「ぶっ…椎葉さんてそんな声出すんだね。あ、おはよ。」
「ぐっ……おはよう角名くん…。」
角名くんは宮くんの後ろで笑いを堪えていた。
てかお前も何気に初会話だからな。何笑ってんだよ。
「一限なんやったっけ。」
「日本史。」
「あ、あかん。教科書忘れたわ。ちょおツムに借りてこな。」
「行ってくるわ。」と言って宮くんは教室を出てった。
ツム……あ、宮侑のことか。
じゃあ宮治だからサム……とか？
双子のことは学校でも有名だから名は知っていた。
てか1年のとき、「バレー部名物双子乱闘」ってのがあると伊織に教えられ、見に行った覚えがある。
その時はそんな関わりも無かったから、宮兄弟って怖そうやなぁって印象しかなかった。
けど、宮治くんはなんか、全然怖くなかったなぁ。
口いっぱいに食べ物入れて、あ、あれだ。ハムスターみたいな。
「……椎葉さんて、治と仲良かったっけ。」
その場に残った角名くんが口を開いた。
「あー……。こないだ帰り偶然会ってな。ちょっと話したんよ。」
うん。あながち間違ってない。
「ふーん。…あ、じゃあさ。俺とも仲良くしよ」
「え。」
私が何か言うよりも先に、角名くんは「それじゃ。」と言って自分の席に行った。
宮くんといい角名くんといい
バレー部……何考えてんのか全然わからん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：湯豆腐 | 作成日時：2023年2月28日 19時
