匂わせ ページ20
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休日で、表参道の通りをひとりで歩いているとトントンと肩を叩かれた。
「お姉さん、ひとり？」
「はっ？！ちょっ」
ナンパか、と無視して歩けばもう一度強めに叩かれた。
「Aっ！」
『え、なん、ふっか…さん？！』
なぜ名前を知ってるのかと振り向けば…
ナンパ男の正体は深めにバケハを被りいつものメガネをかけているふっかさんだった。
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人通りの少ないとこまで来てふっかさんの知り合いが経営してる小洒落たカフェにきた。
『もう、普通に話しかけてよね』
「フル無視されたから、びびったわ、わら」
『ナンパかと思ったから』
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「その大量のティッシュどうすんの」
机の端に溜まっていくティッシュを見てふっかさん言う。
『すみませんね、お見苦しいとこを』
「きったね、泣いてるし」
『花粉でねぇえ、やられてしまって…』
アイメイクを落とさないよう必死で目の痒みを抑える。
『本当、なんでこんな粉なんかに人生苦しめられなきゃいけねぇんだよ』
「いや、そこまでかよ」
「メガネとかしないの？」
という質問に、面倒臭いからと答える。
マスクしてメガネなんてすぐに曇って前が見えなくなる。それが嫌でメガネは付けたくない。
「俺のどーよ」
と、自分の掛けていた眼鏡を外して私に渡してくる。
『逆にどーよ』
「俺より似合うのやめて」
『ふっかさん、いつもこのメガネ付けてるよね』
「ん、気に入ってんの」
携帯の暗い画面で確認する私を彼は頬杖をつきながら見ている。
「かあい」
『ふっかさん、すぐそれ言う』
「Aこそ、ずっとふっかさんて呼んでる」
前に下の名前で呼んで欲しいって言われたが、なんか呼ぶ気になれなくて断っている。
『ふっかさんはふっかさんなのー』
「そーですか」
分かりやすく棒読みで返してきた。
この人、意外と精神年齢低いのかもしれない。
.
終わり
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おちゃこ(プロフ) - ながとろさん» ご指摘ありがとうございます>_<修正させていただきました！ (2021年3月3日 1時) (
レス) id: 710d82267e (このIDを非表示/違反報告)
ながとろ(プロフ) - 17ページから中村海人が海斗になってます。感想じゃなくてすいません (2021年3月3日 0時) (レス) id: f5bcc9fb02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おちゃこ
| 作成日時：2021年2月20日 0時
