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『田中、おじさんが服のサイズなに?って』
「あー、Lで」
『了解』
学校で、おじさんに聞いてこいと言われたことだけを聞いてすぐに自席に戻る。
「目黒、樹と仲良いの?」
『良くないけど、なんで?』
「いや、珍しく話してるなって思って」
松村が話しかけてくる。
見てたのか。さらっと聞いたつもりだったんだけど。
でも確かに、滅多にあの人に話しかけることもないから、周りの人が不審に思うのも当然だ。
「何話してたの?」
『バイト』
「バイトしてんの?何のバイト?」
相変わらず質問攻めされる。
『居酒屋でしてる』
「へぇ、ホール?」
『そう』
意外〜、と頷いている。
「でもなんで樹が?」
『うちでバイトしたいって言うから』
「まじ?いーなー、俺も『無理』
ですよね〜」
苦笑いしながら、松村はゆっくり前を向いた。
田中みたいなやつを増やしていってどうすんのって話だよ。
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『これ、あそこの3卓』
「えっ!4つも?!」
『当たり前でしょ、そんなちびちび運んだどうすんの。進まないって』
居酒屋で初バイト、初日の田中。ビール一杯のジョッキを両手で持っていかせる。
土曜日ってこともあり、店はかなり混雑していて、
あちらこちらから注文を頼む声が聞こえてくる。
「店員さーん!」
『はーい、今行きまーす!』
田中に教えてる暇もないくらい忙しくてほぼ放置。
「これあってる?」
『あってる、すぐ持っていって』
「りょーかい」
意外にも一人で動けている彼に感心してしまう。
あたふたしながらも、他の先輩に聞いたりして、店の中を動き回っている様子だった。
教室で見る田中とは別人のよう。
『ちっちさん、追加で唐揚げ2つ!』
「はーい」
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おちゃこ(プロフ) - かえさん» ご指摘ありがとうございます!修正させていただきました(>_<) (2021年9月23日 10時) (レス) id: 4348ae250b (このIDを非表示/違反報告)
かえ(プロフ) - 楽しく読ませて頂いてます。20話の高地くんの漢字が、高知になっているので修正した方がいいかと思います、、。 (2021年9月20日 0時) (レス) id: 664476c07f (このIDを非表示/違反報告)
すー(プロフ) - 最高です!!!更新されるのを楽しみに待ってます! (2021年7月7日 10時) (レス) id: 91e5b79796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おちゃこ | 作成日時:2021年7月6日 22時