アンチと愉快な仲間達

_5 ページ5

.







それからと言うものの、松村は何かある度に振り返り、私に聞くようになってきた。



「ねぇ、これって1？3かな？」


『知らない』


「目黒って意外と意地悪だよね」


『松村って意外とお喋りさんなんだね』


よく言われる、と笑顔になる松村。褒めてねぇよ。

あれや、これやと聞かれればまぁ分かることなら返すようにしてるけど、本当に松村ってなんでこんな喋るのってくらいうるさい。

あの集団の中でも静かな方のイメージあったんだけどなぁ。



「ねぇ、俺ってうるさい？」

『うん、うるさい』
　

「静かな方がいい？」

『どっちでいいんじゃん？私に聞かないでよ』




分かった、とまた笑顔になってから前を向いた。







.









「…、あっ！！」



『…、なに』



6限の一番眠い時間に入ってる古典の授業。
いつの間にか目を瞑っていて、はっとして開ければプリントを持った松村がこっちを見ていて目が合うと少し驚いていた。



「えっと、」


『こっち見んな』

「プリント回そうとしただけじゃん！」

『前向け』

プリントだけ取って前を向かせる、がすぐに振り返る。この人何回振り返れば気が済むの。







「目黒って、真正面見て寝るタイプなんだ。俺、うつ伏せ派」


『いや、聞いてないし。』







.

_6→←_4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す