松田くんの彼女（仮） (ページ9)

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〈手、繋いでみようか〉

下北沢の通りでの撮影。

カメラマンさんが言った通りに、手を繋ぐ。
これも、つだくんから。

『本当に、今日鳥のフン落とされるとかない？？大丈夫？？？』

「大丈夫だから、うるさい」

『つだくんっ！クレープ！』

「はいはい」

撮影中、自由に回っていいよと言われたから自分たちが行きたい店を見て回る。

まぁ、アポはちゃんと取りますけどね。

『このシャツ、やばくない？』

「めっちゃ可愛い」

お気に入りの古着屋さんで見つけた柄シャツ。

買おうか悩んでいれば、「人生一度っきりなんだから」とつだくんがよく言う言葉。

まぁ、ですよね！と念押しされ結局購入。ありがとうございまぁす。

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『つだくんはやっぱり黒でしょ。あーでもオーバーオールも可愛い』

「俺が黒ならAも黒な」

お互いのコーデを選ぶシーン。
　

『えっ！！お揃いにしてくれるの！』

「まぁ、そういうテーマだし。』

ツンってなる言い方だけどしっかり選んでくれるとこもう軽率に恋だよね。

かっこいいんですよ。行動ひとつ一つが。

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ランチタイムは小洒落た喫茶店での撮影。

目の前に出されたオムライスに目を光らせる。

『やばっ』

見るからに半熟のそれ。いやもう美味いやつやん。

『っ、！！うっわ、美味しい』

最高ですわ。ふわふわの卵がもうね。

オムライスの至福に浸っていると、ここでまたカメラマンさんがぶっ込んでくる。

〈あーんして！〉

『いいんですか！！』

また、指示に従って私がつだくんの口に運ぶ。

目の前で肩を開けて待っているつだくん。
可愛い。死ぬほど可愛い。

『つだくんもうちょっと口開けて』

「あっ」

素直に口を大きく開けてくれる。
うわぁ、この瞬間撮りたい。真正面から撮りたい！！

「うんまっ」

『やばいよね、これ』

本当に、最高なオムライスに出逢っちゃった。
つだくんの可愛い瞬間も見れたし。

『何ていい日なんだろう』

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