松田くんの彼女（仮） (ページ24)

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「顔赤い」

『お酒飲んだもん、へへ』

頬を赤くして微笑むA。
ピタッと触れれば体温が上がってるのが分かるくらい。呂律も回ってないし、へにゃへにゃしてるし。

「やめとく?」

数本飲んでこうなった。
度数はそんなに強いものじゃないけど、初めてだし、仕事終わりで疲れているのもあって酔いが回り始めてるのだろう。

口をつけた瞬間、「苦い」と零していたA。

「赤ちゃんみたい」

そんな彼女の頬を軽く摘む。

『ん～、なに？』

「なんも」

『つだくん、』

「ん？」

『好きだよ』

へへっと笑って缶を取ろうとする。

「、だめ。もう」

Aの手を止めてペットボトルの水を飲ませる。

手が触れれば、どくどくと脈打ちが伝わってくる
いや、これは、彼女なのか。それとも、俺?

『つだくん、どきどきしてる？』

「っ、してない、から」

酔ったAを支えながら、寝室に案内してもらってベッドに寝かせる。

さっきまでいた部屋のテーブルを片付けるために、出ようとすれば服の裾を握られる。

『ね、行っちゃ、やだ』

あぁ、この子にお酒は飲ましちゃいけないんだ、ってその瞬間思った。

「すぐ戻るから」

グッと込み上がってきた何かを抑えて、寝室を出た。

「はぁぁぁぁ、可愛すぎんだろ」

てかまず、こんな簡単に男家に入れんなよ…。
スノのみんなに怒られそう、俺が。

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「ただーま」

何度も目が閉じかけて、すぐにでも眠りにつけそうなAの横に座った。

『ん、つだくんねないの？』

「Aが寝たら」

『もしかして、子守されてる…？』

つだくんも寝て、と布団に引き込まれる。
シングルベッドなわけで、まぁまぁ、お互いの身体が密着しているこの状況。

Aはぐりぐりと、頭を俺の胸元に押し付けてくる。

「ガチ、赤ちゃん」

『ん、いーにおいする、おちつく』

この子、お酒入るとこんなあざといの、？
何なの、ほんと。

『げんたくん、おやすみ、』

最後に俺の名前を呼んでゆっくりと目を閉じた。

彼女の頭を優しく撫でていれば、俺も自然と眠りについていた。

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