オフィサー ページ38
私はメインルームに戻り作業で受けたダメージを癒していた。
そこにココアの人がココアを持ってやって来た。
「お疲れ様です。A様」
そう言ってココアはいかがですかと差し出してくる。
「ありがとう。…何だか様って付けられるのは恥ずかしいなぁ…」
私は様を付けられる立場になった事が無ければ、身近に感じる言葉でもなかった。
せいぜい、様を付けられる人はおとぎ話に出てくる王子様お姫様的なイメージしか私にはない。
「エージェントは僕達オフィサーより上ですし、僕はA様を尊敬しているんです。恥ずかしがる事はないですよ」
彼は少し俯いて苦笑いする。
「だって前の支部では命を助けてくれる、なんて人…いなかったですから…」
彼の言葉で思い出す。
此処はまだ死者が出ていないけれど、それはまだアブノマも少ないし出来たばかりの支部だからだ…
私は幸運な方だ。別の支部では凄惨な光景があるのだろう…
「…あっ!すみません。暗い話をしてしまって!」
目の前の彼が慌てて謝罪をする。
「大丈夫。うん、私頑張れるよ。君にそう思われていて嬉しいから」
あの黒いアブノマに再び対面する勇気が湧いてきた。
今後の作業を乗り越えれそうだ。
『A、O-02-40に愛着作業』
ああ、管理人からの指示だ。
ココアを飲み干し作業に向かう準備を始めよう。
「もう時間みたいだ、ココアをありがとう。…えっと、君の名前は?」
彼は少し驚いた顔をして言う。
「エ、エデンと呼んで下さい。その…ありがとうございます」
お礼を言うのは私だけでいい気がするが…深く考える事でないか。
「ありがとう、エデン。もう行くね」
私は愛着に使う玩具を持って収容室に向かった。
53人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なっしん(プロフ) - インディゴのロボトミーコーポレーション好きさん» コメントありがとうございます!魔弾さん、とてもかっこいいですよね!はたしてこの投稿ペースで出せる日は来るのか……出したいですね(´・_・`) (2023年3月28日 22時) (レス) id: 422472f880 (このIDを非表示/違反報告)
インディゴのロボトミーコーポレーション好き - とっても面白いです!私は魔弾さんがすきです!出してほしいです.. (2023年2月8日 17時) (レス) @page9 id: 1489bcb344 (このIDを非表示/違反報告)
なっしん(プロフ) - エリーさん» コメントありがとうございます!死蝶さんはそのうち出演予定となっております! (2021年2月14日 21時) (レス) id: 422472f880 (このIDを非表示/違反報告)
エリー - 死んだ蝶の葬儀出してほしいです…!一番好きなアブノーマリティなので! (2021年2月14日 18時) (レス) id: 069e45f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
なっしん(プロフ) - 化け猫さん» コメントありがとうございます!好きなセフィラはビナー様ですね!カリスマ!好きなアブノマは自分の名前の由来にもしている何もないくんです。更新頑張ります!励みになります! (2020年12月21日 17時) (レス) id: 422472f880 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なっしん | 作成日時:2019年4月20日 0時