く り か え し 【 Reo.S 】

約束 ページ26

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『裕太さん！！！』

「あっ、Aちゃん」




街灯にもたれかかってスマホを弄っていた裕太さん
結構待たせちゃったのかな…



『すみません！お待たせしました！！』

「いや、全然！！待つん得意やし！！」

『待つの得意って何なんですか笑』

「ほんまに、ゆっくりでええから」



『……はい、すみません』

「なんで謝んねん！笑」



だって…裕太さん…

ゆっくりでいいって言った時、
泣きそうな顔で笑うから

そんなの誰だって…
返事の事を言ってるってわかるよ


待たせたら待たせたぶんだけ
思わせぶりな事をするぶんだけ
辛くなるだけだから


そんなこと私が1番わかっているはずなのに


どうしても裕太さんに「ごめんなさい」ができないよ


正面から好きを伝えてくれた裕太さん
私、裕太さんになんて酷いことをしているんだろう




「Aちゃん！どっか行きたいとこある？」

『っ、あ、えっと』

「んー、じゃあ考えといてな！笑」
「とりあえず、あそこ行っていい？」

『手芸…屋さん？』

「そう！仕事の用事で悪いけど…」

『行きたい！！です！！』

「あ、ほんま？じゃあ行こか」




裕太さんのハンドメイドの新作！！
いち早くみれるなんて！！



「えっと…手、繋いでもええかな？」

『え、』

「や、やっぱいい…！ごめん！！忘れて！！」



手を繋ぐ……
それなら…それくらいなら


「え！？Aちゃん！？」



少し指先が触れ、
驚いて手を引こうとした裕太さんの手を握る

なんでだろう
心臓がドキドキしてるよ



『あ、え……、て、手！大きいですね！』

「んぇ！？わ、あ……そ、うかな？」



『「……あはは！！」』


お互いのあまりのテンパリぶりに
笑いが込み上げる



「ごめん、全然カッコつかへんわ笑」

『いえ！私もすごい緊張してます！笑』

「恥ずかしいわ〜〜！」

『でも、……ほんと、こんなに大きい手から
あんなに可愛いマスコットが生まれるんですよね…』

『すごいなぁ』


「意外と簡単やで。」
「今度一緒にやってみる？」

『え！？いいんですか！？』

「全然いいよ！！」


『じゃあ約束ですね！』

「ん、約束」





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