く り か え し 【 Reo.S 】

仲直り(過去編) ページ20

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「それで？勢いで飛び出してきたって？？」

『だってーーー！！！』

「はいはい、後の話ならゆっくり聞くから
とりあえず中に入りなよ」

『ありがとう！！さっすが茉莉様！！！』

「ほんとあんたってこういう時だけ調子いいな！笑」



玲於と喧嘩したら大体は茉莉の家に転がり込んだ
他に行くあてもないし……

それに茉莉の家なら次の日の朝には玲於が
「帰るぞ」って迎えに来てくれるの


でも……


「それにしても今回はえらくでかい荷物だね」

『……初めて…出ていけって言われたの』

「え…？」

『もう迎えに来てくれないかもしれない…』



そう

今までの喧嘩は全部
玲於に言い負かされた私が拗ねて
勝手にあの家を出ていただけだった

今回みたいに…出ていけなんて
1度もなかったのに



「あんたそれで素直に出てきたの！？
ダメじゃん！！早く戻りなよ！！！！」

『もういいって言われたの』

「A……」



"お前もういらないわ"

そう言われたような感覚だった



「弱気になるな！！！」
「明日謝りに行こう！！
喧嘩なんかで別れてもいいの！？」

『いやだ！！！』

「よし！！そうと決まれば
今日のところはもう寝よう！」

『うん…茉莉、ありがとう』




まだ微かに希望を持っていたからか
不思議と涙は出なかった




＊


「A…！！起きなって！！」

『え、……茉莉？』

「佐野！！来てくれてるよ！！！」

『えっ、嘘！！！』

「本当！！ほら、早く仲直りしておいで！！」

『うん！！！！』



部屋着で寝癖もそのまま
化粧もしていない

でもそんなことどうでもいい
玲於が来てくれたことが嬉しくて


『玲於！！！』





玄関のドアを開けると休日なのに
しっかりとスーツを着た玲於の姿があった






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