星空キャンバス 5th

234 Keito ページ34

圭人「…………え？」







2時半になって、
家を出ようとした瞬間、





見計らったかのようなタイミングで
電話がかかってきた。









早く行かないといけないのに。









少しだけイラついたが、
そんな事してても無駄だと思い
画面の通話ボタンを指で押した。









川本さんからだった…。









彩伽「…あ、岡本さん………？」






彼女の声は何かに怯えているように
震えていた。








どうしようもなく心配だった。









圭人「……どうしたの？」







しばらくして、
鼻をすする音と、彼女の
高い声が耳に響いた。









彩伽「………ごめんなさい、




助けて欲しいですっ………」









行かなきゃ。









そう一番に思った。




けどすぐに、









Aの不安そうな顔が頭に浮かんだ。









だから_________









圭人「……ごめん、今からAと会うんだ








他を探してくれないかな？」









この前だって、誕生日がどうって
あまり重要ではない内容だった。









彩伽「……………岡本さんじゃないと、
ダメです………







会いたいんです…」








電話の向こうで、
彼女の声とかぶる女の子の声が聞こえた。








？「ちょっと彩伽……」







これは、やばいんじゃないか？









彩伽「……学校です」









その瞬間に電話はぶつっと切られた。









衝動的に走り出していた。









公園とは、反対の方向に。

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