~INCOMPLETE~《赤》 (ページ10)

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神山智洋.

彼の部屋を片付けるのは手慣れてき始めた

最初は割れ物の掃除がめんどうで嫌気がさしたけど、今は全部プラスチックにしてるから元に戻せばええだけ。

でも、そろそろこのコップも限界やね

取手あと一回投げたら割れるわ。

｢掃除出来たから帰るなー。｣

ひと声掛ける

｢ありがとうございました｣

目つきで分かる、重岡くんじゃないって

誰やったかな･･･コウ君かな。

なんか関西弁抜けてるし

｢ゆっくり休んでくださいね。｣

静かにドアを閉めた

隣の部屋を見てみるも、
この病院で唯一笑顔な小瀧くんはいない

なんだか寂しくなった。

あの笑顔も、本心かどうか分からん

それでも時々笑顔が欲しくなる。

｢神山さん、何見てんすか｣

低く優しさのある声がいきなり耳元に入って
大きな声で驚いた

｢もぉ！やめてくださいよ濵田先生！｣

｢いやね、なんかぼーっと小瀧の部屋見てたから｣

そんなに見てたんかな...

濵田｢あいつ、明日戻ってきますよ｣

｢えっ...もう？｣

濵田｢帰ってくる。
次、騒ぎ起こしたらえらい事になると思うけどな｣

冗談半分でふふっと笑い違う患者さんの元へ

･･･知ってますよ。

先生が1番可愛がってるのは小瀧くんってこと

せやから居ない今は元気ないんですよね。