だってそうじゃないと『アズカバンの囚人』 (ページ48)

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353話ページ48

｢…全く眠くないんだよなぁ…｣

こんなに人が多いとゆっくり寝てられない。

さて、何か暇つぶしになるものでもないかなぁ？

｢天文台の塔も梟小屋も探しましたが、何もなしでした。｣

｢ご苦労じゃった。｣

先生方か。

｢三階もくまなく調べました。｣

｢ご苦労。｣

｢地下牢にもブラックの姿はありません。城のどこにもおりません。｣

｢いつまでもぐずぐず残ってはおるまい。｣

｢しかし、大したものですな。たった一人で誰からも気づかれずにホグワーツに入り込むとは。｣

それは思った。

何で誰も気が付かなかったんだ？

そして、何で引っ掻いた痕、だったんだ…？

普通なら破くと思うんだけど…

｢驚くべきことじゃのう。｣

｢どんな手を使ったと思われます？｣

｢どれもありえぬことじゃ。｣

｢新学期の前に、吾輩しかとご忠告申し上げました。

校長が新しくお雇いになった｢城の内部はシリウスブラックの手引きをしたとは思えん。

この城の中は安全じゃ。もう生徒たちをそれぞれの寮に戻しても良かろう。｣

いや、安全かと言われると些か不安なものがあるけれど…