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12話 ページ13
｢エイトフット、なんでこの人を誘拐してきたんだ？｣
｢元から狙ってたんだ。しかもこいつからきたんだ。誘拐じゃねぇ。そのうち家に引きづり込む。｣
｢それもそれでヤバいでしょ。｣
｢狙ってたって……いつからよ。｣
青い髪の人が冷ややかな目を向けて質問する。
｢だいたい1ヶ月前からだな。｣
1か月前、それは心当たりがあった。
｢っやっぱり、｣
｢やっぱりって、何されたんだ？｣
｢俺のところに来るなら慣れさせた方がいいだろ？｣
｢まさか、｣
｢毎日、海に引き込まれる夢を見た、んですけど…｣
｢あと1ヶ月だったんだがなァ、今日Aからここに来たんだぜ？待ちきれなかったんだろ？｣
｢え、い、いや、｣
｢照れ隠しか？｣
ドロドロとした目が怖い。
僕の頬を撫でてくる。
冷たい手がやけに恐ろしく思えて体が震えた。
ギチギチと締め付けられる。
｢っ、ぃ''、｣
｢エイトフット！締めすぎだっ！｣
｢ッチ、そろそろ返せよ。｣
あ、ダメだ、酸素が、な、い、
視界が暗転した。
久しぶりに夢を見なかった。
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作者名：ヨーク | 作成日時：2023年4月9日 7時
