僕は引き込まれた。 (ページ2)

今日:1 hit、昨日:8 hit、合計:1,340 hit

1話ページ2

最近、よく夢を見る。

それは水中で、暗くて冷たい。

息はできる。苦しくない。

ただただ1人で海にいる。

しばらくしているとタコ足が僕のお腹に絡みつく。

ぬるりとしたそれは僕をより深くまで引っ張る。

「……っはぁ、」

今日もそこで飛び起きた。

体から嫌な汗が流れてる。

気分が悪い。

しかし、あんな夢の後ではシャワーを浴びようとも思えない。

「これは、どういう……？」

最近はより深く暗いところからスタートする。

冷たいはずなのに身体の内側からジクジクと煮えたぎるような熱がでる。

そして、夢が最近長い気がする。

このままあのタコ足に呑まれるんじゃないかと思うと気が気じゃない。

いや、別に悪い気はしないのだが心の準備というものがあるだろう。

そんな夢を毎日見るのだから水に近づくのも気が引けるようになっていた。

海なんてもってのほかだ。

握りしめた布団の後を見ながら長い長い溜息を着く。

そろそろ病院に行くべきかな、なんて考えながら大学へ行く準備をしだした。