夢現 ページ32
海の音がする。
聞き覚えのない音。
誰かの泣き声が、聞こえる気がする。
誰の声かはわからなかった。
「日曜だからって寝すぎよ。あなた」
「…………夏未さん、布団返してください」
剥ぎ取られた布団を求めて寝ぼけ眼で手探りをする。
「せっかく作ってもらった朝食をブランチにでもするつもりなのかしら？」
「起きます、起きますから。ベッド整えさせてくださいよ」
「全く」
部屋に置いてある時計を見れば、針は九時を指している。
「先に行ってるわよ」
「あ、はい」
クローゼットに向かった悠里を見てもう寝ることはないと思ったのだろうか。部屋から颯爽と出て行った。
「めずらしい、夏未さんが起こしに来るなんて」
「失礼、悠里くん。今日はこれに着替えてもらってもいいかな？」
「総一郎さん？これは……」
「ちょっとしたプレゼントだよ。今日もし良ければこれを着て、買い物に付き合ってくれるかい？」
「買い物、ですか？」
「なるほど、だから夏未さんが起こしに来たんですか」
「そうよ。ほら、見えてきた」
「見えてきたって、あれ？スーパーマーケットとかではない？」
「違うわよ。それよりもっと奥の建物」
「その奥って……俺、帰っていいですか？」
「ここまで来たんだから付き合いなさいよ」
彼女が指さす先は、とても高いビル。どうやら、普通の買い物ではないということは悠里にも理解出来たのであった。
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雨(プロフ) - アカヤさん» ありがとうございます！再開するので楽しんでいただけると幸いです！ (2021年3月18日 0時) (
レス) id: 9167c7bcd3 (このIDを非表示/違反報告)
アカヤ(プロフ) - すごい面白いです！更新お待ちしております！ (2020年10月3日 20時) (レス) id: c94cddf62e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨 | 作成日時：2020年2月9日 20時
