野生児 ページ13
とある山の中。
「すっごいな。こんなところに学校があるのか……」
悠里が呟いた通り、見渡す限りの自然。
「こんな中で毎日練習してんなら、そりゃ運動能力も上がるわな」
「確かに…」
学校のバスと夏未が乗ってきた車が、舗装されてない道に停められている。
「あ」
「え？」
少し目を離した隙に、恐らく野生中の生徒と思われるユニフォームを着た男たちが車に群がっていた。
「車なんて初めて見たコケー！！」
「嘘でしょ、もしかして山生まれ山育ち……？」
車のドアを開けたり閉めたり、上で跳ねたり車体を噛んでいる者すらいる。
「野生中の選手たちですよ！あれ！」
「あんなのに負けてられっかよ……」
野生中のグラウンドには既にたくさんの観客が。ほとんどが野生中の生徒であり、野生中の応援だが、
「兄ちゃん！頑張れー！」
雷門中には可愛い応援団がついてきていた。
「壁山くんの弟くん？」
「そうっス……」
「緊張してるね」
「うう……」
「大丈夫、大丈夫。みんな野菜だと思えば」
「……何かの儀式みたいで逆に怪しいっス」
雷門のキックオフで試合が始まろうとしている。
「今日も最初は俺ベンチにいるけど、大丈夫だよ」
「なんで、そんなこと言いきれるんスか？」
「壁山くん、高いのが駄目で結局一回もできてないって聞いたんだけどさ。それなら……」
こそこそと耳打ちする。
「やってみたら？結局着地には元々難ありって聞いてたし、やれば案外できるかもよ？」
「で、でも！俺はDFっス！前に出る機会なんてないっスよ！」
壁山は逃げるように自身のポジションに走って行った。
「……壁山くん」
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雨(プロフ) - アカヤさん» ありがとうございます！再開するので楽しんでいただけると幸いです！ (2021年3月18日 0時) (
レス) id: 9167c7bcd3 (このIDを非表示/違反報告)
アカヤ(プロフ) - すごい面白いです！更新お待ちしております！ (2020年10月3日 20時) (レス) id: c94cddf62e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨 | 作成日時：2020年2月9日 20時
