さしす組が溺愛してます

餅のような頬 ページ20

｢A、髪乾かさないと風邪ひくよ。｣



｢んー、眠い。｣



｢はぁ。こっちおいで。｣









髪も乾かさずにコタツでウトウトしているAを、夏油は自身のあぐらをかいている足の中に入れる。









｢毎日ちゃんと乾かさなきゃいけないよ。Aは髪が長いから。｣



｢うーん。｣









今にでも目を閉じそうな彼女の脇腹を支えて倒れないように髪を乾かしている夏油。



Aは逆上せて家入より先に出てきてしまったため、共有スペースにはAと夏油の2人だけだ。









｢悟は寝てるし、今日は私の部屋で寝るかい？｣



｢うん。｣









欠伸をしながらこくりと頷いたA。



夏油はそれを見て優しく微笑んだ。









｢A、歩ける？｣









横にふりふりと頭を振ったAを見て夏油は優しく腕にAが踞るように抱える。




ふと好奇心が湧いたのか、Aの頬を伸ばす夏油。









｢どこまで伸びるんだ…？｣









あまりに伸びる餅のような頬で遊んでいると、風呂上がりの家入にその現場を目撃された。









｢変態。｣



｢いや、断じて違うんだ。｣



｢没収。｣









あわてて弁解した夏油だが、ひょいっとAを家入に取られ数分その場に立ち尽くしていたらしい。

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