KYでは無い、断じて。 ページ15
「悠…仁、?」
壁に持たれていた悠仁を見つけて手を振り駆け寄ろうとすると、なにか話しているように見えて止まる。
「オマエのせいだ。」
「オマエが俺を取り込んだ。目覚めたんだよ、切り分けた俺の魂たちが。大勢のケヒッヒヒッ、人間を助けるか。」
宿儺の声だ。ていうかなんの話しをしてるんだ?
いやそれよりも何よりも笑い方…ジワジワくるな。
思わず笑いそうになるのを必死にこらえて聞き耳を立てる。
「小僧!!オマエが居るから!!人が死ぬんだよ!!」
「おい、それ。伏黒に言うなよ。」
思わず息を飲む。悠仁がいるから人が死ぬ…?
何、今のそういうシリアスな話だったの?
私ってKYな感じ、?もしかして、??
突然歩き出した悠仁を見て必死に物陰に隠れる。
「言うなよ。」
゛自分が助けた人間が、将来人を殺したらどうする゛
伏黒君のそんな言葉が頭をよぎった。
「どういうこと??」
1人だけ理解ができていないようで、必死に物事を整理する。
悠仁がいるから人が死ぬ?悠仁は宿儺に変わって人を殺した?いや違う、殺してない。
となると悠仁に関係する別のことで…?
今のタイミングで宿儺が話したとなれば今日の任務の資料を漁ればどこかから出てくるのではないか。
「…そういうこと。」
そう考えた私は、今日の悠仁たちの任務に関わる資料を読んだ。
最初の呪殺は6月。悠仁が宿儺を身体に取り込んだ月だ。
たぶん、伏黒君や野薔薇も気づいてる。
それを必死に悠仁に隠してるんだ。
「私、強くならなきゃな。」
そんな思いが、募って行った。
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作者名:夜行性 | 作成日時:2021年1月4日 19時