168話 過去 ページ27
大泣きして、涙も落ち着いた頃
乾は口を開いた。
乾
「お前が、人狼一家の”ナナシ”だったのか……?」
『……そうだよ
恨まれることは今までもあった、けど
まさか、親を……殺されるなんて……』
乾
「ッ俺は」
『……お前じゃない。
指示したのはお前じゃないってわかってる
でも、なんで……なんでっ!
なんで両親を殺した!? 何もしてない一般人を!!』
『私が、側にいたのに!!!
なんで助けられなかった……っ!』
乾
「……前々から、ナナシの事は話題に上がっていた。
でも大々的に人狼一家を潰す話は出てねえ
……今回のは黒龍の意志じゃねえ」
『じゃあ、お前らは何も関係ないって言いたいの…?
こいつ等は
黒龍って組織に殺されたも同然だろうが!!!』
バキッ
バシャッ
乾
「ッテェ…」
『お前らの!!お前、らの……!!
……違う
私がナナシだった、からだろ
わかってるよ…………私のせいだ………』
また目に涙が滲んだ
ふと視線を地面に落とすと視界の端に
キラッと光るものがあった。
ああ、これがあれば
これで
これで楽になればいい
視界の端に入ったものを手に取ると
乾は酷く慌てて私の腕を掴んだ。
乾
「お前!死ぬ気か!?」
『離して』
乾
「やめ……!」
『離してよっ!!
もう私の居場所なんてどこにもないのに!!!』
手に持ったナイフを自分に刺す為と振り下ろそうとすると
他の手が私の腕を止めた。
荒牙
「A……どう、なってんだ……」
『荒……牙……?』
荒牙
「母さんと、親父がなんで、倒れてんだ……?
お前も、血だらけじゃねえか……」
『荒牙……っ』
荒牙の、酷く焦っている顔が 理解できないって顔が
自分の中に残った罪悪感を蝕むような痛みを生んだ。
荒牙
「なんで俺が呼び出されてる間に
こんな大勢で喧嘩なんか……お前が、やったのか?」
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荒牙
「A、大丈夫か」
『っ……うん………』
昔の事を思い出すだけで
鳥肌が立つ
血の気が引く
どうして、私だったんだろう
どうして、神様は私からいっぱい取り上げるんだろう。
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琉生(プロフ) - 月奏星さん» コメントありがとうございます!設定確認してきました、改善できましたでしょうか… (6月21日 22時) (レス) id: 482cbf92f8 (このIDを非表示/違反報告)
月奏星(プロフ) - あの、1番最初から見たいんですけど見れなくて、 (6月21日 17時) (レス) id: a13783a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
琉生(プロフ) - 未雪姫さん» コメントありがとうございます!今自分で考えては泣いて考えまくってるのでどうか後ゆっくりお待ちください…! (6月18日 21時) (レス) id: 482cbf92f8 (このIDを非表示/違反報告)
未雪姫 - 過去が重すぎて泣いたんですが‥‥しっかりハピエンにしてください! (6月11日 19時) (レス) @page28 id: 2caf6a868c (このIDを非表示/違反報告)
琉生(プロフ) - エマさん» コメントありがとうございます!ご指摘ありがとうございます!訂正いたします.ˬ.)) (2023年1月29日 11時) (レス) id: 482cbf92f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琉生 | 作成日時:2022年7月18日 22時