頼る事をまだ知らない part 2

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sk side

　この頃雨続きで俺たちの旧末っ子が片頭痛で苦しんでいた。

　しかし、いつもと違う所が一つだけある。

それは，片頭痛で寝込む期間が長いことだった。普段ならば２、3日すれば治る阿部ちゃんだが，6月と言う事もあり梅雨の季節に入ってしまった阿部ちゃんは何日も何日も寝込んでいた。

　 今はだんだんと落ち着いているが1日目から4日目は病院レベルではないかと思う程酷かった。

水が飲み込めないほどの嘔吐し，脱水症になりかけたり、夜になると”痛い，痛い”とうわ言のようにずっと言っていた。

　しかし，自分がそんな事があった事は阿部ちゃんは想像が付かないだろう。

だって，阿部ちゃん痛みと辛さの余り意識を何回も飛ばしてしまったから
自分の記憶からは消されているだろうなぁ と考えながら阿部ちゃんの寝顔を見つめた。

　時々，苦しそうに顔を歪めるから完璧には治ってはいないのだろう。

　 だけど，何日も目すら閉じられなかった阿部ちゃんがこんな可愛らい顔で眠れている事が今の俺にとっては幸せだったが俺は空に向かって祈りを込めた．


雨が早く上がり，阿部ちゃんが元気に1日を過ごせますように...と

　
　 そう心を込めて祈りをした後もう一度顔をあげるとぶ厚い雲の隙間から太陽の日差しが差し込んでいた．

　 阿部ちゃん，明日はきっと晴れるよ．

　俺の言葉は部屋に響いて消えていったが阿部ちゃんは笑っていた．


　 そして，翌日には雨が上がり，9人で元気に過ごしたのは言うまでもないか．



　 あべちゃーーーん

そして，また，俺の元気な声がシェアハウスに響いた

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