Real Hostage-3年A組- Ⅲ (ページ33)

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case7-14 ページ33

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A「…」

トイレから戻ると

廊下でコソコソしながら
美術室に入っていく瀬尾くん達が見えた。

…瀬尾くんに兵頭くん…

さっき話してた面子…

A「隼人、」

様子がおかしい。何かある。

そう思って急いで教室に入ると、
机に座ってた甲斐の服を引っ張って助けを求める。

甲斐「…あ？どうした」

A「美術室行って」

甲斐「は？何で」

A「早く、」

ぱっと見、四、五人いたから
甲斐が言った方がいい。

そう思って
急いで不思議がる甲斐の背中を押して立たせる。

それにつられて、須永や石倉も着いてって
どんどんみんなも様子を見に行ってしまう。

A(…誰もいない)

結局、みんな美術室に行ってしまって

一人、誰もいない教室に嬉しくなる。

…久々だ。

そんな事思いながら
美術室の様子を見に行くと

A(…何か話してる)

準備室から声がして

「武智は
景山を追い詰めた犯人かもしれねぇんだぞ！

そんなやつから貰った推薦でも
お前喜んでいくのかよ…

今回はしょうがねぇだろ
お前ならまた次があるって」

…須永だ。

久々聞いた、怒鳴ってる声。

でも、

「そんなこと言わないで…」

もし私もあのまま推薦を貰っていたら

須永の今の言葉は
夢を絶たれた人には辛すぎる。

そんな私の心と同じように
華の泣いてる声がした。

「三年間、毎日必死で練習して、
一生懸命努力をして！それでもダメで！

諦めかけてた時に声をかけてもらって、、

こんなチャンス二度と無いって喜んでっ！

なのにっ、
また次があるなんて簡単に言わないでよっ…」

…分からなくない。

三年間、頑張って

三年間、必死になって

三年間、続けて来た事を

そう簡単には諦められない。

A(…分かんない)

何故か、溜息が出た。

自分の事が

自分の気持ちが

ずっと分からない。

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